セクハラ反対

「・・・・・・で、結局何でこんな所にいるんさ?」

「こっちが聞きたいです」



まだ距離があるけど少しはわかってくれたみたいだ。

・・・・・・・まだ距離はあるけれど
むしろ距離を取りたいのは私だ。なのに、何でだろうこの振られた気持ち。



「あの、町に連れてってくれませんか?」

「は?」

「それかせめて下に連れてってください。ロッククライミングとか無理なんでお願いします。道のりさえ教えてくだされば町までは一人で行きますので。・・どうか、お願いします。・・・・・・あの?」


気がつけば彼はなんだかまじまじとした顔でこちらを見ていた。何だろうケチャップか何かついているのだろうか?それとも東洋人が珍しいのか?


「!っ、・・・・・あー、わかった。わかったさ。
・・・・んじゃ、乗って。」

「・・・・・棒?」

「そ、・・・・・落ちないようにちゃんと捕まってろ。ほら、もっとちゃんと腰に捕まって」

「うっわ。スタイルいいですね。尻まじ形良い」

「セクハラさ!、!?ちょっ、うひゃ、ひゃひゃひゃひゃひゃ!!っやめ、っく、くすぐらなっひゃひゃひゃひゃ!!!!!!!!」

「わー腰弱いんですね。あ、これは私個人の意見なんですが腰が弱い人って受けだと思うんですよ。実は受けとかいいですね。なるほどわかります美味しいです。ギャップ萌え大好物です。ごっつあんです。」


・・・・・・・いや、本当にイイ。何でこんなにスタイルいいの・・・!うっほぉおおまじヤバイ何この服の上からでもわかる引き締まった尻と脚!


「・・・っは、・・・・っ一気にお前への心の距離が開いたさ!」

「えっ心開いたんですか」

「何その蔑んだような目!しかも何でちょっと離れた!?意味わかんない!どんな変換!?言葉通じない!てか何で!?俺がむしろしたいわ!」

「ナニを?」

「もう嫌だお前降りろバカァアアアア!!!!」

「、とと、・・あー・・・・すみません。なんかセクハラされたままこのまま別れるのはすっごい癪だったというかなんというか。
ごめんなさい。あの、反省はしてます。後悔はしてません。ありがとうございました。」

「最ッ低!!!」

「貴方に言われたくないですセクハラはされるよりする側なのでこればっかりは譲れません。」

「どや顔すんなさムカツクから」

「どやぁ」

「何?今日厄日?
俺ただでさえ任務帰りで疲れてるのに。初対面から何?この体力を一気に消耗するような精神削られて抉られるようなこの感覚」



(もう黙ってお願いだから。耐えられない!)
(ふごっ)