厨二臭い変質者もとい痴漢さん

「・・・・何だこのお決まりなんだかそうじゃないんだかよくわからないイベントは」


見上げればおっきな顔の門がどーん。

後ろを見れば崖。
びっくりして直ぐ様下がった。


・・・・・・・あれまー、読んだことあるよこのシュチュ。



「・・・・・・・」



そう、たしか、大好きなサイト様がBLEACH連載の他に男夢主で、なんか神・・神崎寄り?で何やらあったよ此処。


「・・・・・・でぃーぐれ・・・?」



・・・・・たしか、『でぃーぐれいまん』

呪われた少年が頑張るお話だった気がする。
主人公が全総受けなんて、なんてすごい、素晴らしい作品なんだとたしか衝撃を受けて一時期呪われた主人公にハスハスしてた記憶がある。
・・・・・・・・ミラクル。まさかのドリームの方の夢のお決まりパターンかよトリップか。



「・・・・・・・・・・」


スプーンについたトマトソースを舐めればここが如何に現実なのかがよく分かる。
地面のゴツゴツした感触だってあるし、瞬きしたって変わらないし。


「・・・・・うぉっ」


風がびゅうっと吹いてぶるりと身体を震わせた。

ここは寒い。とりあえず街に行かなきゃならない。そう思い、私は立ち上がった。



「・・・・・・・おー・・・、わ」


周りをキョロキョロと見渡せば下りる場所はない。

・・・・・・・下界への道はどうやらロッククライミングで行く方法だけみたいだ。・・・うん、無理だからね。ていうかロッククライミングって登るんじゃなかったっけ?あ、やっべどっちも無理だ考えんのやめよ。足がガタブルしてきた。
・・・・・・・・困った。
さて、どうやって街へ行こうか。あぁ、もうコマンドが少なすぎるのがいけないんだ。仕方ないだろアイテムを持ってないのはいきなりだったからだ。村に行くのにもアイテムがいるなんて今すぐ誰かアイテム下さいどうやってこの崖降りるんですか村人さんおーしーえーてー



「・・・・・どうしたんさ?」


「・・・・・・は?」



どうやら私は相当周りが見えなくなっていたらしい。



「・・・・・誰?」

「こっちのセリフさ」



上から声が降ってきたので、何だと見れば



「入団者か何かか?」


厨二臭い髪をしたイケメソが呆れた顔で私を見下ろしていた。



「ちが、います」

「そか。
・・・・・てか、スカート」

「すかーと?」

「めくれてるさ」

「あ、ホントだ。ありがとうございます」

「反応薄ッ!結構捲れてたよな
え、水玉の柄見えちゃったんだけど。
てかいい足してんなーリナリーといい勝負さ」

「なるほどすみません変質者さんだったなんて露知らず。こんな珍味食っても得しませんよ珍味所か喰う対象に入りませんから」

「ごめんさ不可抗力!
ちょ、距離!え、俺痛い!ちょ、目ぇ笑ってない引かないで!」



一瞬この赤い髪のイケメソが救世主に見えたけどとんだ勘違い。



「いやいやいやだから」

「あの、本当に私たまたまここに居合わせただけなんで。あ、あっちに今さっきめんこい子見かけましたよ」

「あっちってどこさ!?馬鹿なのかお前!」



悪質な変質者さん、もとい痴漢さんだったみたいです。