「せーーど!」
「、っと」
「ぬぉおお!?」


王子様と称されるセドリック・ディコリーくん(多分友達)にタックルを食らわそうとしたら見事に避けられてズササー!と顔から私は地面とちゅーすることとなった。ひ、酷ぇ。えええ・・・・


「大丈夫かい?平凡より少し下の顔は保ててる?あっぶないなぁ・・・・」
「セドが避けなければそんな心配はいらなかったよ」
「ん、大丈夫みたいだね」
「・・もー・・・似非王子様、女子が顔から地面にちゅーだよ?ちょっとちゃんと受け止めてよ」
「女子?どこに?」


ファック!!と中指を立てれば女子が中指立てない、と笑顔で中指を折られた。いけしゃあしゃあとこの男はいつも私の前だと真っ黒黒すけ状態で・・・・一体何なんだ。猫かぶりも大概にしとけよテメェの股に付いてるバナナミキサーに掛けてぐちゃぐちゃにしてやろうか!・・・・、うん、まぁ口が裂けても言えないけどさ。


「あ、そういえば、ハイ。これ面白かったよ。」
「そう、よかった。ナマエの頭でも理解できて。」
「聞こえない聞こえないもうセドリックの嫌みは無視します。じゃ、本返したからね。バイバイ。」
「待ちなよ」
「、っわ」


ぐいっと手を引かれてセドリックの腕の中にボスン、と私は収まり、シトラスの香りがふわりと鼻を掠めるの感じた。ただ、私は黙ってじっとしていた。いや、正しく言えば事の状態がよくわからなかったのだ。


「・・・・・・・お、・・・う・・・、・・?」
「やっぱり。足擦りむいてるね。」
「、・・・・ホント、だ」


・・・・・え、何何。何なのこの状態は。え、何。何なの・・・!いやいやいやいや待て。待てよセド。
今、私はセドに腰に手を当てられ、もう片方の手で手を捕まれている。え?腰。腰の手の意味は?
ていうか足上げるな待て待て待て

「・・ふっぉおおおおお!!!!!!」
「は?」
「ちちちちちちちちちち」
「・・・・・は?」
「ちっかっ・・・い・・・!」
「・・・・・・・・、」
「近いんだよばきゃろぁあああ」
「ぷっ・・はははははは!!!」
「!?」
「か、おあかっ・・・・!あははは!!」
「・・・・・っだ、だまらっしゃいちょっとだまらっしゃい!!あああああああしっ足上げるな掴むな馬鹿ぁあああああああ」
「ごめんごめん。医務室行こうか」
「・・・・え、いや、血は出てないから」
「油断は禁物。ほら、行くよ」
「・・・・うわあ」
「何」
「セドが怖いこれは怖い。ヤバイコワイ」
「僕だって少しは反省してるんだよ?思ったよりナマエの皮は薄かったんだなぁって」
「私も一応女の子ですからね」
「あははっ冗談は顔だけにしときなよ」
「いや冗談じゃねぇーからね違うからね」



裏表のある友人

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