「ごはん出来ましたよー」
「おー、美味しそう。」
いただきます、と手を合わせるとロナルドさんはじっと私を見てきた。
「なんかの挨拶?」
「あー・・・・この国ではごはんを食べる時に作った人や食材を作ってくれた人、食べ物に感謝していただきます、って言うんです。
ちなみに食べ終わったらありがとう、って意味でごちそうさまって言います。」
「へー」
「まぁ大抵の人はあまりその事は考えずに昔からの癖で言ってる人が多数ですけど。」
「ふーん、義理堅い国なんだね。ってかここ今更だけどどこ?凄く色々発展してるみたいだけど」
「アジアの日本です。まぁ、昔から何故か義理堅いとか言われてますね、確かに。」
「アジアってことは西に飛ばされたのか・・・・・・・」
むー、と考える仕草はやっぱり様になる。すげぇな外国人。
「あの、多分ロナルドさん外国の人だからご飯口に合わないかもしれないので・・・・林檎、買ったんでもしよかったら食べて下さい。」
「ありがとう。・・・いただきます」
「、どうぞ」
いただきますってするんだ・・・・。何だかやっぱりこの人なんかたまに真面目というか、なんというか・・・・。
「ん!美味しい。なまえちゃん料理上手だね。可愛いし、男が放っとかないよ。彼氏いるの?」
「・・・・・いないです。」
ちょっと、思ったより真面目な人なのかもしれないとか思ったけど前言撤回。やっぱり発言が何だかチャラい。
「あ、せっかく剥いてくれたし、林檎もらってもいーい?」
「どうぞ。・・・・お口に合ったみたいでよかったです。」
「うん。本当に美味しい。
あ、ねぇなまえちゃんって失礼だけど、何歳ぐらい?」
「16、です。」
「おー。そっかー?好きな人とかいんの?」
「・・・・・・・・いませんけど。」
今日会ったばかりの人と恋バナとかなんだか・・・・・・合コンか。
やっぱり決めつけるのは申し訳ないがロナルドさんは私があまり好きではない、近寄りたくないタイプだ。
喋り方といい、あの人に似ている──・・・
「ふーん?
あ、俺今フリーだから俺なんかどう?なんつって!」
「・・・あっはは好みじゃないですね」
「うーわー。一刀両断・・・・・」
「あ、ロナルドさん、食べ終わったらお風呂どうぞ。」
「え、先入っていいの?」
「ハイ。着替え、兄の置いとくんで。」
(一瞬だけ、)
(あの人とロナルドさんが被った。)