「なまえちゃん、他に買うものは?」
「んー、と・・・・・あとはサラダですかね」
スーパーに行くと、キョロキョロとあたりを見回すロナルドさんは何だか子供みたいで少し面白かった。が、やはり金髪は珍しかったらしく、視線を集め、尚且つロナルドさんの行動は異質に見え、気づいたらさらに視線を集めてた。
・・・・・スーパー、やっと出られた
「・・・・・・・」
ちらりと彼を見れば、やはりイケメン。こんなのが小学生体型の私の隣に歩いていたらそりゃもうびっくりだ。良く見えて血の繋がらない兄弟と言った所だろうか。
「すみません、ロナルドさん、やっぱり私が持ちます。」
「いいって!女の子に持たせる訳にはいかないから」
「いや、私の握力、今日でどのぐらいあるのかわかったと思いますけど・・・・私、結構腕っ節には自信あるんです。」
「そんなの関係ないじゃん」
「あります。ってことで、」
「だーめ!」
無理矢理ロナルドさんからビニール袋を半分奪おうとすれば避けられた。・・・今日はついでに色々安かったからお米とか飲み物とか沢山買ったんだけど・・・・・。
細い割に力あるんだな。やっぱり男の人だ。うん。
「いや、あのですね、これじゃあ私がお客様を荷物持ちとして買い物に連れていったみたいになるじゃないですか
「それでいいじゃん?」
「よくないです!」
「えー、でも俺を置いてく訳にはいかないでしょう?」
「・・・・・・?何でですか?」
思ったことをそのまま言えば、ロナルドさんは少し目を見開いた後に一つ溜息を零した。
「うーわー・・・・、
警戒心ないなぁ。もう戸締まりとかなまえちゃん気をつけなよー?」
「?」
何を言っているのだろう。
・・・・・むしろ出来るなら置いていきたかったのだが。
「はぁー・・・・、あのねぇ?いきなり現れた男を留守番させるなんてあまりにも無用心だよ?」
「っあ・・・・!」
しまった。そうだ。何やってるんだろう。つい、この人の雰囲気がとても親しげで、なんだか安心してしまったのかもしれない。
「・・・・・・ありがとう、ございます。でも、やっぱり半分は持ちます。」
「えー?それじゃー・・・・ハイ。」
ゴソゴソと大きい袋を漁ったかと思えば、スッと前に出されたのはアイスが入った一番軽い袋だった。・・・・いやいや、
「・・・・あの、あとその片手に持ってる袋下さい。」
「これ以上は駄目。さーってと、次はどこ行くの?」
「・・・・・・・商店街、です。」
・・・・・・・結構、頑固だ。
(あらなまえちゃん!隣の美形さんは彼氏かい?)
(違います。おばさん、林檎下さい)
(うっわ即答!)