「・・・・・・・・・・・しに、がみ」

「そう!そんで仕事中だったんだけどさー。ちょーっとしくじっちゃって。
なんかいつの間にかここにいてさー」

「・・・・・・・・・・・」



金髪の彼に近づくと「何何!?積極的ー」とまた口を開いた。
・・・・・・・・一瞬、ついイラッとして立ち止まった。だが、また私は一歩近づいた。喧しい人だなとか、いやもしかしたら女だと思って油断してるのかとか色んなことを思いながら。



────ガッ



「う、ぐごぉうえぇう・・っ!」



私は首を締めてポケットからケータイを取り出し、まぁ、当たり前だが私はとりあえず警察に連絡するという選択をチョイスした。



「えーと・・・、いち、いち、ぜ・・」

「ギブ、ギ・・・ッ・・・、」

「・・・・あ、やば、殺しちゃ駄目だ。」

「、っ」

「あ!ちょっ逃げんないでくださいよ!!」



人殺しになるのはご免被るので、少し緩めてとりあえず気を失ってて貰おうと思ったら、その隙に金髪の男はベランダの方へと逃げ出そうとしたのですぐに腕を捕まえた。



「逃げる逃げる!首絞められたあげく首にチョップされそうになったら誰だって逃げるからね!」

「あーっ!もうっ今警察呼びますから大人しくして下さい!!」

「け、警察?ちょ、たんま!待って!誤解してるって!俺は!」

「あーハイハイ死神?でしたっけ?ロナウドさん。いつのまにかこの家にいたんですよね?ハイハイそれじゃあ今電話するんで大人しく警察来るまで待ってて下さい。」

「ロナルド!っていうか腕痛い!君可愛い顔して力強・・・・ッ!」

「そうしてないと逃げるでしょ貴方。っていうかちょっと黙って下さい喧しいですチャラいです」

「チャラいのは俺の長所!」

「意味わからん」



うざー・・・・・。
やべー早く警察に来てもらおう。さっきから本当に煩い。暴れるから電話掛けられないし。こんなに抵抗するなら入らなきゃいいのに。
っていうか死神とか本当に危ない人だな。一体どこまで病んでこんな行為に至ったんだろうか?
やっぱり盗み?に入るぐらいだから十中八九お金の問題かな。



「何でうちに入ったんですか?やっぱり強盗ですか?」

「だーかーらっ!!最初に言った通りいつの間にかここに居たんだってば!
どうしようかと思ってたら鍵を開ける音がして!そしたら君が来たんだよっ」

「何その逆トリッ・・・・み、たい、な・・・」



───・・・・・待て。そういえば正月辺りにたしか・・・・、



「・・・・・・・・・・死神、眼鏡・・・・」

「え?何?今度は何?」

「・・・・ちょっと、待ってて下さい。・・・・・えと、たしか・・・あった。」

「?え、な・・・・・・・、
て、手錠・・・・?」



引き出しから手錠を出してカチャリと手と足に付ければ彼は訝しげにこちらを見てきた。
・・・・・ロナルド、ノックスって言ってたよね



「・・・・・・・君、どこの子?可愛い顔して・・・・何の仕事してる訳?」

「・・・・勘違いしないで下さい。これは兄の資料というか、・・・・趣味です。」

「君のお兄さん色んな意味で何者?」


そんな質問を軽く流してケータイをネットに繋ぎ、気になるワードを出来るだけ出して文字を打つ。
──そして、私は検索された単語に目を見開いた



「・・・・・・・・・黒、執事」



・・・・・あぁ、なるほど。



「・・・・、・・・・それは、凝った、コスプレ、ですか?」

「は?」


じっと見つめれば彼は何だとこちらを見てきた。緑の瞳が、私を映す。・・・・演技、なのかな・・いや、違う気がする。これは・・・・・、



「・・・・・・・・わかり、ました」

「?何が、」

「一応、信じます」


カチャ、手錠が動く音が部屋に響いた。


「!」

「足、出して下さい。
そっちの手錠も外しますから。」


(信じたくないし嬉しくない。)
(二次元からやってきた死神なんて)

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