「何でだろう、最近西村くんの株が下がってきてる気がする」
「みょうじ、眉間にシワ寄ってるぞ」
「だってさぁ・・・」

勉強会の時といい、西村くんはぐいぐいたまにいきすぎる。
そういう所、たまにちょっとやりすぎというか、駄目だと思う。

「あれは西村の良い所でもあるから。
あの周りを巻き込むけど、困ってる友達はほっとけない感じ?
・・・・まぁ夏目には申し訳なかったけど」

暑いから机にベッタリ張り付きながら聞いていたら、急にはるちゃんの声のトーンが落ちた。ちょっと責任を感じているのかもしれない。別にいいのに。はるちゃんが責任を感じなくても。

「・・・・帰り、アイス、食べたい。」
「そうだな。バリバリくん食べたくなってきた」

ていうか、本当はそこは人数が揃ったんだからはるちゃんは喜んでもいいと思うんだけど。そこはやっぱり優しすぎる、と言うよりもお人好すぎる。

「・・・・・・・ねぇ、はるちゃん?気づいてるくせに、反論とかしなかったの?」
「ん?何が?」
「・・・・・・はるちゃん」

わかってるでしょ、とじろりと睨めば、はるちゃんは苦笑した

「・・・・・・・くじの事?」
「そ。司会って・・・・美野垣くんだったんじゃない?たしかアイツも実行委員だったよね」
「んー・・・・・」

ちらりと見れば、やっぱり苦笑しながら曖昧にコクリと頷いた。

「・・・・・ホンット最低。中学の時からいっつもそう。野球部内で盗みがあった事件、あれもどうせ美野垣が犯人でしょ、絶対。」
「いや、そればっかりはわかんねんじゃね?最初に美野垣が疑われたらしいんだけどアリバイがあったらしくってよー」
「・・・どうせ後輩とか脅したんじゃない?
あー、もう何でアイツこの高校来たの!?最悪っ!」

きっと部活があるからとか何とかで早くリーダーを決めたかったんだと思う。だからってはるちゃんの優しさに付け込んで・・・・、
美野垣は中ニの時、同じクラスだったが彼の自己中さというか、性格の悪さにはイライラさせられたし、大変迷惑だった。あぁ嫌だ嫌だ。一緒のクラスじゃなくてよかった。

「お、もうそろそろ下駄箱混んでないんじゃね?
よっし!アイス食べに行くか!」
「・・・うん。そうだね、バリバリくん食べたい。チョコのやつ」
「あー、どうしよ。チョコ食べたくなってきた。でもソーダも捨て難い・・・・・!」



(帰り道、)
(私のチョコと彼のソーダを半分こした)


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