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知っていたさ。だって、ホグワーツって。あと魔法。
その二つの単語を聞いた途端浮かんだのはただ一つ。

転生トリップ。

ぶっちゃけ私はヲタクだが漫画派なので外国産のハリポタは映画の一作目を見ただけ。だから内容は詳しくは知らない。つまり、この先の事はあまり覚えていないのである。

でも、私の場合、未来を例え知っていなくとも嫌だった。


「・・・・・・・・・・、」


あれから私はご飯を食べて今は自室のベッドに沈んでいる。
まぁ、両親が魔法使いなら当たり前、だよな・・・・・・


「・・・・・・うーあー、」


しかし、そんな易々といとも簡単にそうですか、と納得出来る訳がないのだ。
そう、何故なら私は、この世界では、



「・・・・・・・ん?」



─────コンコン


窓を叩くのはどうやら私が八歳の時プレゼントされた梟のようだ。

「!ラヴェル。」


純白の体。だが羽の所に灰色の水玉が点点と付いているのが特徴。
名はラヴェルと言って私が名付けた
ラヴェルにクッキーをあげ、私はラヴェルを撫でる。


「ありがとう。セドリック、喜んでくれたかなー?」
「ホーッ」


この前、私が探していた本をたまたまセドリックが持っていたので貸してくれたのだ。だから、そのお礼に私が気にいっている焼き菓子をセドリックに贈った。


「!そうだっ」


ふと、思い出した。思い出してしまった。本、そうだ。


「本、ダドリーにも返さなきゃ!」


そう、彼にも借りた本があった。飛び出すアリスの絵本だ。
たしか、今日返すと言ったのに、結局返していない。
それに気づいた私はすぐさまパーカーを着て、本を持てば飛び出した
彼を敵に回すと後々面倒になると言う事を学校中が知っている。もちろん、私も例外ではない。・・・・・・怒ってないといいなぁ。
ただひたすらに彼が地団駄を踏むような光景を目にする事がありませんようにと祈りながら私は彼の家へと向かった。



***********


「すみません、ダドリー君と同じクラスのなまえ・みょうじと言います。
ダドリー君に借りた本を返しに来たんですが、ダドリー君居ませんか?」
「あら!ダドリーちゃんから貴女の事はよく聞いているわ!
さぁさ!入って頂戴な」
「あ、いえ。本を返しにきただけなんで・・・・・・・」
「ダドリーちゃんもきっと喜ぶわ!遠慮しないで!」
「いや、あの・・・・・・」


私はそう言われると同時に家に引きずられた。・・・・何分前の事だろう?


「・・・・・、えと、」
「どうした?あ!!!お茶の味が気にくわなかったとか!?
おい!ハリー!!!」
「ちょっ違う!それは無いから!美味しいよ!」


あぁ、だから家には入りたくなかったのにちきしょう。


「・・・・・お茶、ごちそうさま。美味しかった。
これ以上長居すると悪いし、私そろそろ帰るね」
「えぇ!?そんな!」


・・・・・・あぁ、もう嫌だ。


「・・・・・、あー・・・・」


どうしよう、ダドリーがキレかけている。面倒臭い。


「あー・・・・いや、その、この後私用事があるからさ」
「・・・っじゃあ!また明日家に来てよ!いいだろ!?」


・・・・「じゃあ」ってどのじゃあ?激しくめんどくさいすごい断りたい。もう本当に何で私はこの子に気に入られたんだろうか?誰か教えてほしい。
うわあぁ、ってことは明日も私はこの家に行かないといけないのか!認めたくないが選択肢はきっと一つしかないから仕方ない


「・・・・・・・わかった。何時頃行けばいい?」
「!っそれじゃあ三時半頃!」
「・・・・・・りょーかい、」


ふとハリーを見ればご愁傷様、と憐れむような目線を送っていた。・・・・こんな筈じゃなかったのに。

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