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気がつけば、私は違う「私」になっていた。
いやはや、たくさんの羞恥プレイに私は堪えてきた。耐えてきて堪えてきた。
何がって、たとえばオムツを換えさせられたりトイレはちゃんとできないし、歩く事だって困難だし私の父ちゃんと思われる方のべろべろばーに付き合わなならんし、何やら眠いと泣きたくなるこの涙腺の脆さに苛々。後は女の人、つまりは「私」の母のおっ・・・
まぁそんなこんなで私は1歳になった。
「ハッピーバースデー!ベイビー!」
「なまえ、おめでとう!」
「あい(り)がと」
「もうっ!なんて僕達のベイビーは賢いんだ!」
「あーもう。ハイハイ、
なまえ、私達も貴方が生まれてきてくれて本当に、本当にうれしい。だからありがとう。」
ニコリと綺麗に笑う私の現在のお母さんは黒髪が綺麗な日本人。
「あーっもう本当に僕達の子に生まれてきてくれてありがとう!」
それに反して、金髪のパーマがかかった半分イギリス人なお父さん。私のお父さんはどうやらハーフらしい。
────そして、二人共
「「エクスペクトパトローナム!」」
いわゆる、魔法使い、らしい。
「ほーらっユニコーンだぞー」
「見て、なまえ、ほら梟。」
「しゅごいね、あいかわやじゅ(すごいね、相変わらず)」
まだ完全には喋れないがなんとか伝わる程度には喋れるようになった筈だ。・・・・・・・・多分。
「将来貴方はどんな風に育つのかしら」
「きっと僕達の子供なんだから立派に可愛く育つ筈さ!」
「・・・・・・・・」
「ほら、気持ちはわかるけど白い目で見ないの。」
「それどういう意味だいハニー!?」
────暖かい。
ここは、酷く落ち着く。
「!なまえが笑ってる!」
「あら、本当だわ。珍しい。」
このまま、一生、この幸せが続けばいいと毎日思う。
この心地好い感覚から、ずっと、ずっと離れたくない。
───私は、そう思っていたんだ。
ドン!!!
────緑の閃光が、飛び交うのを私は最後に見て、
(そこで、私の記憶はまたぷつりと途切れた。)
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