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「・・・・・・・うっわ。」


暗い。暗いぞホグワーツ。
何にも見えないじゃないか。おかげで絶賛迷子中です。
こんな真夜中にフィルチと薬学教授に会ったらきっとそれは死亡フラグだろう。

・・・・・・・ついてない。


足は折るわマダムポンフリーにもう帰っていいよって許可もらって帰ったらなんかいつのまにか見覚えない場所にいた。
いや、多分きっと通ったことはあるんだろうけどナイトマジックってやつだろうか?ここが違う場所に見える。


「・・・・・・・・、・・・・」


いや本当に冗談無しで怖い。超怖いぞナイトなホグワーツ。
うっすら見えるが絵が動いてたりもうなんかガクブル。もうそろそろ私のお膝さん笑いだすんじゃなかろうか?
・・・シャレにならないな

いっそのこと、見つかった方がいいかもしれない。
訳を話せば罰則にはならないと思う。いやだって実際真面目に迷ってただけだし。
真面目に、って少しアレかもしれないが本当にこっちは真剣だ。



─────ドタドタドタ!



「!?、」


早速か。・・・え、しかも複数?
どんだけ大事になっているんだ。申し訳なくなってくる。
すみませんもうしませんいやわざとじゃないんです至って真面目に進んでたらなんか迷子になってた訳で超こわ、



「なまえ!?」
「・・・ハーマイオニー・・・・!?」


呼ばれたと思い、目を凝らして見ればハーマイオニー。

そして、彼女とあまり仲がよろしくない筈の男子二人組。
メイン三人組だ。


「早く逃げるんだ!フィルチが来る!」
「ぉ、わっ!?」


何でこのメンツ?そう思うと同時に手を引っ張られた。ぎゅっと握られた手は少しだけ暖かい。


「ちょっ、!?」


まず、私がここでたとえ立ち止まって見つかったら三人の事を聞かれるだろう。言い逃れをするにしても方向は同じなのだからそれは難しい。

・・・これは、巻き込まれたかもしれない。ストーリーの中に。
ぶっちゃけ映画の内容なんて全部覚えている訳ない。しかし、この三人がいるという事は何らかのフラグだろう。そして、問題はこの後何が起きるかわからないという事。・・・・つまり、流されるしかないってことか。あぁ、今日は本当にツイてない。久しぶりに接した彼に手を引っ張られながら、心の底からそう思った。ていうか、結局ここはどこなんだろう・・・・・・、ここって何階?


「あそこに逃げ込もう!」
「開かない!どうしよう!」
「・・・、・・・・あれ、何だっけ、アラホア・・じゃなくて、あれ、・・・っハーマイオニー!」
「アラホモラ!」


信じて彼女に助けを呼んだのだが、流石だ。彼女の本好き、基勉強好きには本当に驚かされる。


「開いた!」


そうロンが言えば一目散に私達は中へと逃げ込んだ。


「・・・・・・・・、なんとか、逃げ切れた?」
「うん、そうみたいだね・・・・・・・そういえばなまえはこんな時間にどうしたの?」
「マダムから許可はもらったの?もう大丈夫?」
「僕が話してるんだから入ってくるなよ!」


ロンが話を遮られたとハーマイオニーに怒鳴った。だが、ハーマイオニーは私を心配して咄嗟に口から出てしまったんだと思う。優しい彼女のことだから、きっとそうだ。


「マダムにもう寮に戻っていいって言われたの。だから戻ろうとしたんだけど・・・・・、暗くて迷っちゃって。」
「そう・・・・、」
「足はもう大丈夫。心配してくれてありがとう、ハーマイオニー。」


そういえば、彼女の表情は緩み、安堵した表情になった。・・・・なんだか、余程心配を掛けてしまったようだ。申し訳ない・・・、


「・・・・・・・・・、・・・・・あ」
「?」


入ってから無言だった彼が何かを言った気がして、振り向いた。


「・・・・、・・・・・おぉう、」
「?、!!ひ・・・っ!」
「どうし・・・・た、の・・・っ?!」


視線の先には、黒い頭が三つ──、

────犬のようなそれは、


「・・・・・、三・・頭犬・・・・・・?」



(叫びを合図に、反射的に私達はドアを引いた。)

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