03 [ 17/29 ]


「なまえ!」
「、メア!」


遠くから声がしたと思えば、すぐ様彼女に私は抱きしめられた。


「昨日ぶり」
「えぇ。おはよう。
寮、離れちゃったわね・・・・、」
「私もハッフルパフがよかったな・・・・、セドもいるし・・・」
「せど?」
「?・・・・あぁ、セドリック、私の友達がハッフルパフにいるの。セドリック・ディコリーっていって二つ上の学年だよ。もし何か交流があったら・・・」
「え、それ王子様の事?」
「は?」


───王子、様?


「あ、ごめん、私ったら遮っちゃったわね」
「あ、全然気にしないで。ただ、交流があったら私とメアとセドで仲良くできたら嬉しいな、って思ったの。
すごく良い人だから、メアもきっと仲良くなれると思う」
「第一印象からいい人オーラが滲み出てるものね・・・・・・」
「・・・・・・・・・ねぇ、王子様って、セドリックの事、だよね?」
「えぇ。彼、すごい人気ね。何たってファンクラブまであるし」
「!?うっわぁ・・・・・・・、
いやモテるのは知ってたけど、そんなにすごいんだ。
すげぇやセド。なんかもう二次元だな。王子様とか・・・・、」
「えぇ、私も思うわ。
同じ寮の一つ上の上級生に教えてもらったんだけど、彼って、性格もおだやかで、見た目も中身も爽やか。おまけにクディッチのシーカーなんでしょう?」


そりゃあ王子様、だよねと二人でつい苦笑い。
前々から何だかセドは眠り姫に出てくる王子様か白雪姫の王子様っぽいなとは思っていた。いつも紳士だし、まぁ王子様と呼ばれるのは当たり前なのかもしれない。


「・・・・ちょっと衝撃だったけど、なんかセドが王子様って何の抵抗もなしに納得できるのがセドリックのすごい所だな・・・」
「・・・ねぇ、思ったんだけど、貴方の周りって、結構顔が整ってる人多くない?」
「・・・・・?・・・そう?」
「ポッター君、王子や・・・・まぁ性格や思考やその他諸々は置いといてあのスリザリン主義のデコリンとも幼なじみでしょ?」
「・・・あー、でも、偶然だよ?」
「でも気をつけてね?女の嫉妬は怖いから。」
「うん、気をつける。でも多分セド以外はそんなに喋らないだろうから多分平気だよ」
「そうなの?・・・あぁ、でも、貴方はどっちにしろ器量は良いから、女の子達は身を引くかもね」
「・・・・・・・・は?」
「・・・・・・貴方の事よ。
貴方、髪で隠れてるけど、顔が整ってるのよ。
髪切ったらさらにモテると思う。」
「・・ええぇ・・・・・、眼科か精神科に行った方がいいと思う・・・」
「失礼ね・・・・。
貴方は気づいてないかもしれないけど、貴方に好感を持ってる男の子達はたくさんいる筈よ?」
「・・・・・・・声とか掛けられたことはたしかにあるけど、それはポカトリック家の地位があるから。
・・・・いや、ていうか、そういうメアがモテるでしょ。」
「・・・・・否定はしないわ。
だけど、この顔はただの遺伝よ。寄ってくる男は顔か・・・貴女と同じく地位が目的の男よ。だから男ってあまり好きじゃないわ。」
「・・・・・そっか」



美人や美形って大変だ、とつくづく思う。セドリックと遊びに行くと大体の女の子がセドリックを見るから視線とか声をたまに掛けられたりするからちょっと大変だ。
まぁセドリックは気付かない内に慣れてるみたいだから楽だろうけど。
ていうか、やっぱりメアはいいとこのお嬢さんなんだな。



「あ、それじゃあそろそろ私行くわね」
「うん。また今度」


バイバイ、とメアに手を振れば、次の授業がある教室へと向かった。


「・・・・・・・はぁ、」


彼の名前が出てきた時、

少し苦しくなった。


顔には、出てなかっただろうか?

[*prev] [next#]
top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -