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どういうことだ。
何を見て私をグリフィンドールにしたんだ
・・・・・酷い、最悪。強情。
「・・・・・・・・、」
ただ、喪失感にも似た放心状態に私は陥いりながらも、足を無理矢理動かして、ストンとグリフィンドールの席に適当に座ればおめでとう、と上級生に言われた。
どうも、と言えば上級生は反対側にいる一年生と話し始める
・・・・・・逃げたい、逃げたい。どうして、私はここにいる?
神様なんて、きっといない。もう信じない。
「なまえ」
──反射的に、自分を呼ぶ声に振り向いた。
「久しぶりハリー。同じ寮なんて本当、びっくり、だね」
見慣れた綺麗な双眼が、
私を真っ直ぐに見つめている。
───自分は、今どんな顔をしている?
ちゃんと、笑えているだろうか?
「うん、久しぶり。
同じ寮になれて嬉しいよ。びっくりした」
頭はひたすらに混乱していて、周りの音がまるでシャットダウンした状態。
うんと返せばいつもの笑顔を向けてくれた。
だけど、最初の彼の戸惑った顔が過ぎって、これ以上は何も今は言えそうになかった。
情けないが、今はただ自分の事しか考えられない。
「・・・・・なまえ?」
伝えなきゃ、いけない。
謝らなきゃ、いけない。
「、」
胸が、締め付けられるように痛い。やめて。私、嬉しいだなんて、そんなこと言われる資格なんてない
私に、そんなこと、言わないで。
「・・・・・・うん、私もだよ」
必死に、私は喉から声を絞り出した。
(都合が良すぎるなんて知っている)
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