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「ポーデュス・ブルー」
・・・・・・・あの、
「・・・・・・・・、」
・・・・・・いや、あのですね?
「・・・・、・・・・」
ハリーくんからの視線をバシバシ感じるんですがどうしたらいいですか
・・・・・気づかない振りも、もう疲れた。見ちゃえ。
「・・、・・・え」
・・・・・・何やら目を合わせたら物凄い勢いでびっくりされ逸らされた。えー・・・?・・・・まぁいいや。今まで言わなかった魔法使いの事とか色々その他諸々は機会が来たらその時言えばいい。・・・・え、アバウト?知らないよ慣れてるよその台詞。長年ジャンとかハリーに言われ続けてきてるからそんなんいつもだ・・
「みょうじ・なまえ!」
「!、」
大きな声で呼ばれて、少し怯んだが、すぐに身体は対応し、足が、自然と帽子の方へと小走りになる。早く、早く、一刻も早くこの緊張から逃れたい。
「・・・・・、」
ちょっと前まで生き残った女の子だ何だと喧しかったが、椅子に座れば、波を打つようにしん、と静かになった。
「(・・・・・・・・、えーと、こんにちは?)」
〈あぁ、こんにちは。異世界からやって来た少女。〉
「!?(・・・・・、っあの)」
・・・・・・どういう、ことだ?その呼び方は、まるで私が───、
・・・・・ていうかなんか恥ずかしいなその呼び名!
〈・・・・・・ふむ、難しい。君には学ぼうとする姿勢がある。
おまけに頭も良いし、要領も悪くない。物事を客観的にも捉えることができる。〉
「(・・・・っあの!異世界って、どういうことですか?)」
少しの、間が開く。その間すら今は長く感じた。
〈・・・・・それは、私の口からは言えない。〉
「(・・・・・・何で、)」
〈・・・・・いずれ、全てを知る時が来る。
君は、それまでに君が進む道を決めなければならない。〉
「(・・・・知らなかったら、その道とやらはわからないですよね?)」
〈その点については、大丈夫だ。〉
「(・・・・・・言う気はないんですね?)」
〈あぁ。〉
「(・・・・・わかりました。もういいです。
私、ハッフルパフに行きたいです。グリフィンドールとスリザリンだけは嫌。)」
〈そうか。
・・・・君は、何故そんなにグリフィンドールとスリザリンが嫌なんだい?〉
「(・・・・・知り合いが、いるからです。)」
〈嫌いなのかい?〉
「(・・・・・関わりたくない、だけです)」
〈・・・・・・本当にそうなのかい?
君は、迷っているんじゃないのかい?〉
───迷って、いる?
・・・・・何に?そんな、筈は───
「グリフィンドール!!」「・・・・・・・・は・・・!?」
・・・、・・・・うっわ、きょっ強制かよ・・・・!!・・・・・いやいやいやいや虐めだよこれは。
(今すぐにでも、ここから逃げ出したい。)
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