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見えない聞こえない知らないからねとひたすらに言い聞かせ、私はその場から去ろうとすれば、
「、!?」
ドラコ、もといデコリンがまた私の手首を掴んで離さなかった何がしたいんだ坊ちゃん
「ハリー、知り合い?」
「・・・・・あ、うん。向こうの、学校の友達・・・・、」
激しく逃げたい。・・・・ていうか、何でこんな事になってんだろう。
・・・・・・・あ、いや、わかってる。わかっているさ。もちろん。それもこれも、コイツのせいだって事は。なんかたった今ぺちゃくちゃ一人喋ってハリーに振られた男のせいだって事は、わかっている。ざまーみろ。
「・・・・・・はっ、」
事の発端である隣で手を掴んでいるブロンズの坊ちゃんに嘲笑と、殺意を籠めるように睨んでおいた。
「・・・・・・君の友達、か。
なるほど。納得できるな。」
「喧嘩売ってんのか」
「喧嘩を先に売ったのは君だ」
「覚えがないな」
パシッと片方の手で叩けば、「痛っ!何するんだ」とデコリンは私の手をやっと離した。
こっちのセリフだ馬鹿。何するんだむしろ何してくれちゃってんだお馬鹿。誰かコイツの髪をバリカンで剃ってくれまいか
「・・・・・・・・・畜生、」
もう本当に嫌だ、と小さく溜息を零せば、マクゴナガル先生が話し始めたので、私はそれを懸命に聞いていた。
緑の二つの目が私を捉えていたのには気がついていたが、あえてそこは、無理矢理無視をさせてもらう。
(彼に何から話せばいいのだろう?)
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