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みょうじの気持ちを、考えていなかった。ただ、離れなきゃという俺のエゴで、みょうじを泣かせてしまった。・・・・人の事、言えないな。

「・・・・・・なぁ、みょうじ、」
「ん?」
「大地に、もっかい告ってみろよ。」
「ええ?」
「アタック、すればいいんじゃないのか?お前、全くそんな素振り見せてないだろ?」

目が赤いみょうじはきょとん、と丸い目をこちらに向けて何言ってるの?と聞き返してきたので、俺は大地に一回振られたぐらいで何言ってんだって返せば笑われた。・・・・・何で、

「だって、澤村は、友達・・・なんだよ?アタックなんてされたら、もっと澤村は困っちゃうよ」
「・・・・・そっか。なぁ、」
「?何」
「大地は、」

心配しなくても、友達だと、思ってる。それ所か、お前を───

「・・・・・・・・・やめた」
「え?何?」
「これは大地に任せるわ」
「え、意味深なんだけど」

訝しげにこちらを見て、まぁいっかと呟いてみょうじは笑った。
あぁ、この笑顔をもっと見ていたい。俺は、コイツにあと何ができるんだろうか。・・・・・おせっかいだって、わかってる。だけど、仕方がないじゃないか。好きな子の喜ぶ顔が見たいと思って何が悪い。まだ俺はこの感情は捨てきれない。だから、世話ぐらい焼かせてくれるぐらいは許してほしい。

「帰り、肉まん買って帰ろう。俺の奢りで。」
「えっ!いいの!?やったー!」

俺が幸せにできないのなら、どうか笑っててほしい。
どうしたって、寒さで赤く色付く鼻と頬も、涙で腫れた目元も、全て愛しいと思う。でも、

「あーさぶっ・・・行くか。」
「うん!」

そんな俺でも、彼女が友達でいていいと言うのなら、喜んで俺は受け入れよう。


純白に誓おうか

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