その日は、陽射しがきつい、それはもう暑い日だった。じりじりと肌を焼き付けるように太陽は私達を照らしていて。

こんな日は外に出て店を出すのは少し辛いなぁなんて思いながら、でもアルギアさんも研究を頑張っているんだよねと自分を奮い立たせて。街への足取りは重かったけれども、なんとか頑張った。

「アップルパイはいかがですかー」

沢山リンゴが手に入ったのでアップルパイ・・・・実際の作り方が微妙に合ってるかわからないのでもどきなのだが、とにかく。アップルパイもどきにしてみたのだが、少し失敗だったかもしれない。いやでも、アップルパイは冷たくてもあったかくても美味しいし・・・・

「アップルパイ一つ。」
「!ハイ。」

お金をちゃりんと私の掌に落とした金髪の彼は、ありがとうと言って私からパイを一つ受け取った。

「お前、いつもここで色々売ってるよな?」
「・・・・・はい。」
「ってうまあっ!この菓子、うまいな!」
「ありがとうございます。」

それから話していく内に彼は名前を教えてくれた。名前をアリババさんというらしい。アリババさん、とある童話が頭に浮かんだがそれを無視して自分も名前を名乗れば小さいのに偉いなとそれはもう悪意のない笑顔で仰った。

「・・・・、・・あ、りがとうございます」
「?、おう!」

少し複雑な気持ちになりながらも、よろしかったらまた今度いらして下さいねと愛想笑いを貼り付けてこの場を終わらせようとしたのだが彼はここを退かす、そのまま話しつづけた。商売がしづらくなるから、申し訳ないがそこを早く退いてほしいのだが・・・

「あの、話し込んでしまってすみません。そちらのお仕事は大丈夫ですか?」
「!やべってか商売の邪魔したよな?悪い!!」

じゃあな!と大きく手を振って彼は走っていく。その背中を眺めながら私はある男の子を思い出していた。
アラジン、アリババ、なんだかアラビアンな感じを思い出す。どうしてだろう、彼らは、無関係なのだけど・・・・
繋がりが、何かあるような気がしてならないのは、何でかな、


(・・・・・勘ってやつかな)
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