「・・・・・・ど・・・こ?」

ふわふわ、ふわふわ身体が揺れている。ここはどこだろう?たしか私は今日は仕事して真っ直ぐ家に帰って、・・・・そうか、夢の中か。何だか、不思議な感覚だなぁ・・・

「・・・・・君は、誰だい?」
「!・・・・、・・・・・」

声のする方を見れば、綺麗な青が目に入る。そこには、三つ編みをした私と同い年ぐらいの男の子がきょとんと私を見ていて、なんだか私は彼の青い瞳に気を取られてしまった。
綺麗だな、と純粋に思った。

「・・・・・貴方、は?」
「僕はアラジン。君は?綺麗な顔立ちをしてるね!」
「・・・・・あり、がと・・う?・・・私は、ナマエ。」
「よろしくナマエ」
「よろしく、アラジン。・・・・ここは、夢の中、だよね。」

こくり、と頷いてニコリとアラジンは笑った

「・・・・ねぇ、ナマエは、好きなものとか、好きな場所とかってある?」
「?・・・・んー・・・・あ、前に住んでた所に、丘があるんだけど、そこから見る花畑がすっごく綺麗なんだ。その場所が好きかな。」
「へー!見てみたいなぁ・・・!」

アラジンと話していく内に、彼はなんと外の世界を見たことがないらしい。なんでも、がんじょうなへやにいるそうだ。・・・・アラジンは、何者なんだろうか?アラジンのこの空気は嫌いじゃない。だけど、不思議な感じがする。何て言えばいいのかわからないけど、懐かしいような、話してて、安心するというか・・・・・

「!身体が、透けてきた・・・」
「!あー本当だ。覚めちゃうのかなぁ。・・・・現実でもまた会えたらいいのに。また夢で会えるかなぁ・・・」

そう言ってアラジンは少し考えるように目を伏せた。

「うん・・・そうだね。私、アラジンと話せてよかったよ。」
「うん!楽しかった!もっと、色んなこと聞きたいなぁ・・・」
「また・・・会えたら、話そう。・・・・きっと、またどこかで会えるよその時はアラジンのことももっと聞かせてよ」
「!うんっ約束!」
「うん。・・・・・あ、バイバイ、アラジン。・・・・またね。」

手を振れば、最後にアラジンは今日見た中で一番の笑顔で手を振り返してくれた。


*****************

「・・・・・・・・・・、あ、るぎあ、あさん?」
「あっ起きた!おはようございます。ナマエさんが寝坊なんて珍しいですね?」
「・・・・・・、・・・・・・!?いっ今何時ですか!?すみません・・・・!」
「あはは、大丈夫ですよ。今日の朝ごはんは僕が作りました。」
「あ、ありがとうございます・・・本当に、すみません。」
「気にしないでください。むしろいつもありがとうございます。」

アルギアさんは笑って、仕事にいってきますねご飯はテーブルに置いてありますと鞄を持って、立ち上がった。


「・・・・、・・・いってらっしゃい、」
「いってきます」


アルギアさんの笑顔を見て、私はいつも見送られる方だから少し新鮮だな、と少しなんだか気恥ずかしくなった。


(それが、最後。)
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