隣の紫原くん | ナノ


「村上さんってむっくんと付き合ってるの?」

「えええ!?」


朝、教室に着いて席へ向かう途中で、あまり関わらない、むっくんの周りによくいる女の子達の一人がとんでもないことを聞いてきた

「違う違う!・・・・・え、な、何で?」

「昨日むっくんと放課後すっごい仲よさ気だったーって聞いてさー」

「あ、そっそれはただ身長のこと馬鹿にされてただけだから!!」

「そっかあ。何だーびっくりしたー」


それじゃあねー、と言って去っていく女の子達三人を見て少し安心した。
うーわー・・・大丈夫、だよね?否定したし。・・・て、ていうか、納得されちゃうんだ・・・やっぱり身長欲しいなぁ。


「あ、むっくんおはよー!」

「んー・・・おは・・よ」


・・・・・ちょっとだけ、距離置いた方がいいかなぁ。

なんだか、危ない、気がする・・・



********



「なまえちんー科学のノート見せてー」

「・・・あー・・・・、ごめん、忘れちゃった」

「えー・・・・どうしよ」


・・・・・ごめん紫原くん。だが女の子の反感を買うのは避けたいんだ!



「あ!私持ってるから貸そうか?」

「んー・・・・・それじゃあ、貸して」


紫原くんは朝聞いてきた彼女にのそのそと眠そうにノートを借りた。
うむ、よしよし。これでいい。

暫く、あと三日ぐらいはこれで行こう。紫原くんにはちょっと悪いけど・・・


「やっぱりなまえちんのが見やすいなー・・・・」


紫原くんんんん!!!!


「そ、そうかな!?のっノート何回か貸してたから目が字に慣れてるだけだよ!!」

「そっかー」


空気を読まなくて

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