隣の紫原くん | ナノ


隣の席には


「あはは、前髪結んでるーかわいー」

「何食べてんのー?」


いつも女の子が集まる。

それを横目で見ながら少しだけそっと窓を開けた。・・・・香水臭い。こういう女の子のグループはいくつになってもやっぱり苦手だ。いつどこで反感を買い、悪口を言われてめんどくさいことになるかわからない。だからなるべく近寄らないようにしなくては。・・・ていうかまだ1時間目なのに臭いキッツイなー


「ねー聞いてるー?」

「むっくーん寝たらお菓子あげないぞー」

「!っ、わ、」


ドンッと近くのその女の子の腕が私の肩に当たってよろけた。
机に踏ん張ってみるが、意味はなかったみたいで

窓に勢いよく頭が当たって、ゴッと鈍い音が鳴った。


「・・・・・ったた・・・」

「、わぁ!?ご、ごめん村上さん!大丈夫?」

「なまえちん大丈夫?」

「う、ん。へーき!私もちょっとよそ見してたから。ごめんね」


むしろ、ぶつけた頭よりも、机に踏ん張ろうとして捻った左の手首が少し痛かったりして。
まぁ、別に大したことはないけど。



************



「・・・・・・、・・・・・」


何てこった。手首が腫れている。原因は言わずもがな1時間目のあの時だろう。ちくしょう今日の部活は見学だなー・・・・


「きりーっつ礼ーっ」


帰りのチャイムが鳴って、今日の号令係担当の友達の声で一斉に皆教室から出ていく。
クラスに残ってるのは三分の一ぐらい。


「・・・・・・・はぁ」


まず医務室の行く前に顧問に伝えなくちゃなぁ・・・・あー、もうめんどくさいな。家で湿布貼るだけでいい気がしてきた



「なまえちん」

「・・・・ん?何だい紫原く・・・、・・・あの?」


がしっと大きな手に、私は片腕を捕まれた。

視線の先には、


「手首、腫れてる」

「、あー・・・・ちょこっとね」


気づかれちゃった。なんだかいたたまれないなぁ


「医務室、」

「、!え、あ、うん今行く所。
・・・・・大丈夫だよ?だからあの紫原くんは部活に・・・・」

「早く。」

「いや、あのっだから」


抗議をすれば、虚しくも全部無視され、私は紫原くんに医務室へズルズルと引きずられた


紫原くんは

  
- ナノ -