見てはいけない


「苗字先輩、」

「んー?」

「パンツ見えてるっスわ」


…と。
普通の女子やったらここで顔赤くしたりキャーとか言ったりするもんやと、俺かて一応そういう幻想は抱いとる訳で。でも、目の前で柵にかじりついて白石部長と謙也さんの試合眺めてるこの先輩は、オトコマエに笑って構わん構わん…って、ちゃうっすわ先輩が構わんでも俺が構うっちゅー話っすわ。


「チラチラ鬱陶しいんで大人しいしてくださいよ」

「嫌」

「なんですか」

「減るもんやないから」

もっと言うと、光が困ってる顔見たいから。
なんて、先輩は大袈裟にその場でターンした。風に揺れてスカートが派手にくるり。チラチラ、ちゅうか、そんなことしたらもう完全に中が日のもとに曝される羽目になる訳で、なんちゅーか、恥じらい以前の問題。この人、立ちションするオッサン並。綺麗な顔歪めて、歯を見せて笑うんがこの上なく腹立つ。底意地悪い笑い方してて尚綺麗て、どういうことやねん。腹立つ。


「てゆーか、光」

「…なんスか」

「私、スカートん中、ハーパンやし」








****
別に見えていたのはパンツではなく学校指定の体操着。それでもそこは中二男子、やっぱり見ちゃいけない気分になるんじゃないですかね(偏見)

- 5 -

|

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -