「私ね、あんたのこと好きなんだ」
「それにしては偉そうだね」
「私のほうが年上だからね」
「たかが1歳くらい」
「その1歳が社会人と学生の差だよ」
「………なにが言いたいわけ」
「え?いや、好きって言いたいだけだよ」
「あ、そ」
「でもさあ、カカシは私のこと好きじゃないよね」
「……ん?」
「でもね、私は好きなの」
「ちょ、ちょっと待った」
「減るもんじゃないし、いいよね」
「は?なにが…………ちょ、ん」
「……いただきました」
「………………お粗末様です」




初めて彼女とキスをした。奪われたのだ、ずっと想っていた彼女に。何をどうして、オレが彼女を好きではないことになったのか、それについてはよく分からないが、まあいいかなと思った。どっちがオンナで、どっちがオトコかも分からないようなキスだった。まあそれも、いいかなと思った。それほどまでにこのキスは威力があった。「タダでこれは、お得だったわ」呆けるオレを尻目に彼女はそんなことを言う。ふざけている。
彼女の二の腕を持って、持ち上げながら引っ張った。オレの首に手を回すような格好になった彼女の、その唇にもう一度触れることを目指してオレは口を開く。

「タダなわけないでしょ、ちゃんと払ってくれないと困る」







口づけ0円



20130715











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