海水はまだ刺すように冷えているだろう。砂をとらえる裸足の裏側が、想像に縮んだ。「こわいの?」隣に立つ彼を見上げて頷くと、温もりを秘めた手のひらが私の手をゆっくり覆った。海へ行こうと言ったのは私で、入ってみようかと言ったのは彼だった。二人でゆっくりと際まで歩く。波は穏やかで、時折浚われた砂の下から貝殻が日差しを反射させた。ちゃぷん、水に足を浸す。案の定冷たかった。触れている方の手が、じんわりと暖かくなる。そしてそこを目掛けて心臓が降りる。脈打つ音が遠のいていく。
「帰ったらお昼だね」
「今日はオレがつくろうか、何がいい?」
「いいの?じゃあ焼きそば」
「お、大胆」




20140512

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