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2012/08/18 21:02


 




 はぁ、はぁ、…ぅあ、 …んっ




 (・・・エロいな)



 それが本来象牙と形容できる程に真白い肌が薄桃色に火照り、汗に蒸れ切なげに眉を寄せる魔術師に対する率直な感想だった。

 再開した全身への愛撫から再び魔術師の身体は熱を持ちもはやぐずぐずだ。額から留まることなく滴る汗が金糸が絡まり僅かな陽光を集めては弾く。俺は細い脹脛に吸い付き、上へ上へと辿っていきながら、こんなにも汗かけんだなとどこか場違いな感想ももつ。
 普段のこいつが戦闘をいかに手抜きで済ませているかを思い到り、苦々しく舌打ちしたくなる衝動に駆られた。だが情欲の昂ぶり抑えられそうにねえのはそれとは関係ねぇことだ。

 は、と一息吐いて奴のモノに手を掛けると少し悪戯な気で次はそれを集中的に弄り倒すことにする。全身が性感帯になっている今なら局部への刺激も壮絶なもんになるだろう。
 
 先端の穴を指で押しやりぎりぎりまで左右に開き、内部を眺める。カーテンで閉ざされた室内は薄暗く、今は分厚い布から零れ落ちる光ばかりが頼りだ。

 こんな風にまじまじとコイツのそれを中まで凝視したのは初めてのだったが、異世界の男はこんなところまでが作り物めいていたことに素直に驚いた。思わず興奮に漏れる吐息。それがかかったのだろう。ひ、と頭上で、空気に喉を震わせる音がした。
 煽られた俺は迷わずそこに舌をねじ込む。



「はぁ、、ん」



 微かに悲鳴の雑じる魔術師の声が耳に届いた。じわりと悦が沸き、遠慮なく奥へ奥へと侵入させる。そうして時折上下左右へと気の向くままに蹂躙し本格的にそこを舐ることに専念する。すると下肢がびくびくと痙攣し、奴があくあくと酸素を求めている気配が伝わる。愛撫でとろけきった今の身体には、此れほどまでに直接的な刺激はむしろ辛いだろうと思う。だがだからこそ、俺はそうやって何時も魔術師を嬲るのだ。こういった嗜虐嗜好を俺としては特に否定する気はねえ。
 
 だが同じ男として俺にはどうも腑に落ちねぇことがある。男として屈辱的であるとも云えるこんな扱いに対して魔術師は、一切の抵抗を見せたことがなかったからだ。余裕のあるうちはムカつく笑みを浮べていなしてくることもあったが、それは俺を更に獰猛にするための切欠を自ら誂えているだけであった。こうなってしまえばもう、奴は抵抗する素振りすらしたことがなかった。

 その様子はまるで自らの身を贄として差し出すようだ、と思ったことがある。それも一度や二度じゃねぇ。幾度もだ。


 官能への快感に耐える自我すらも罪だと。
 そして常にその身に下される断罪を望んでいるのだ。自らの身を貶めよと。

 時にやわく撫で上げれば、必ずといっていい程に此方が酷くしたくなるよう煽る仕草をするのだ。人格など無視して犯せと言わんばかりに。
 


 ならば此方は望み通りにしてやるまで。嗜虐心のままに穴の奥をひときわ強く下で抉ってから、次はれろりと全体を舐め上げる。くびれた部分を指と共に舐めなぞり、あとは根元から欲を追い立てるようにして口全体で苛め抜く。局部への刺激に抗えず育ち上がったそれの先端に歯を立てると遂にびゅるる、と先端から白い液体が弾けた。

 ぎゅっとシーツに皺が寄る。奴が握り、衝動的に手繰り寄せたのだろう。辺りに白い粘液が撒き散らされ、薄い腹と胸、俺の顔にも多少のそれがかかる。荒い息を吐く魔術師の蒼い瞳は、意志がなく放心しもはやあらぬ方を見ていた。



 ぞくり。


 そんな様子に俺の何かが呼び覚まされる。それは捕食者で在りたいという男の本能。それは恐らくは力のあるものをねじ伏せたいという野生に近いもの。

 息を荒げ顔を寄せて頬を舐め、唇にむしゃぶりつく。金糸に指を絡めながら咥内をどこまでも吸い貪る。達した直後の身体には酸素が欲しいだろうがそんなの知ったこっちゃねえ。まあ酸欠になったところで死にたがりのお前にゃ丁度いい薬だ。

 
 俺に屈しろ。そして貪るように空気を吸え。


 だがそうまでなっても一向抵抗を見せない魔術師に苛々と腹に煮え湯が沸き上げてきた。ぐいときつく肩を掴んで薄い骸をひっくり返す。あっさりと思うままに動いたそれ。そのまま凶悪な衝動に任せて、露になった白い首筋に噛み付いてやろうとした。




が、




 先刻狂ったように暴れた魔術師の様子を思い出し、なけなしの理性を総動員しどうにか衝動を圧し留めた。思わず、だ。 
 深く、深く、息を吐き出す。
 そうしておのれの下の均整のとれた肩が大きく上下する様子をじっと見つめた。その姿は何処か弱弱しい。落ち着きを取り戻した俺は再びゆっくりとその身体をひっくり返した。
 先程の二倍ほどの時間を掛けた。
 自分でも何故そうしたのかは、正直なところわからねぇ。

 どうやら俺は今日の指針を腹に決めたらしい。丹念に俺の唾液と奴の放ったものを指に絡める。それから力なく開かれた両の脚を割り開き、出来るだけそっとその窄まりに手を伸ばした。





 





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