｢ええい！さっさと兄者の所へ帰れ！部屋が狭い！｣
デュエルアカデミアの生徒でないエリスが万丈目の部屋に居座り初めてから二日経った。
エリスというのは万丈目の幼馴染みであり、万丈目財閥と交遊のある財閥の一人娘である。そのエリスが万丈目の元に逃げてきたのは、万丈目家の長男、長作との政略結婚の話を聞いたからだった。
｢帰ったら結婚させられる。私まだ高校生なんだよ？｣
｢結婚出来る年だ｣
｢本気で言ってるの？奥様は女子高生だよ？｣
いまいちわからない言葉に万丈目は眉を寄せた。
｢私の夢、忘れちゃった？｣
｢お前の夢なんか知らん｣
｢ひどい。私、準くんのお嫁さんになりたいって言ってたのに｣
｢子供の頃の話だろうが｣
｢今でも子供だよ｣
｢何が言いたい｣
｢準くんと結婚したいの｣
｢なっ！なにぃ!?｣
｢真っ赤｣
｢うるさい！｣
｢レッドサンダーだ｣
｢黙れ！｣
｢万丈目エリスになりたいです｣
｢･･･｣
｢準くん｣
｢兄者との結婚はお前がどうにかしろ｣
｢え｣
｢うまく説得してみせろ。アカデミアを卒業したら考えてやらんでもない｣
｢準くん好き！｣
｢引っ付くなやかましい！｣
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