×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -



これまで十代は、本当に自由で強くて、どんなことがあっても一人で生きていける人だと思っていた。それなのにいつの頃からか、十代は私なしでは生きていけないのではないだろうかと思うほど、私に執着している。
周りから見たら私たちは普通に仲が良いカップルに見えるのだろう。しかし私は時々、十代の笑顔が怖くなる。太陽のような笑顔にも関わらずだ。それはきっと十代の行動が少し異常だから、そう思うのかもしれない。

「名前!」
「十代!」
「わりーわりー、ちょっと遅れた」
「別に大丈夫だけど、どうかしたの?」
「あー、クロノス先生に怒られてた」
「十代、また何かしたの?」
「誤解だって!」

一体何を誤解されたのかは知らないけど、ただでさえクロノス先生に目をつけられているのだから、誤解を与える行動をしなければいいのに。
十代は息を整えると、にかっと笑って私に抱きついた。

「でも名前がちゃんと待っててくれてよかったぜ」
「……そりゃあ待ってるよ」
「だよな!愛してるぜ名前」
「知ってる」
「名前は?」

そう言った十代の目がやけに恐ろしかった。

「愛してるに決まってるじゃない」

すぐに十代の目は子供みたいにきらきら光る。可愛いなと思う。しかし、自分で言うことではないが、十代は私のことが好きすぎる。すぐに愛しているかを確認したがるし、私が十代の知らない男の子と話していたりデュエルをしたりしていると、満面の笑みを浮かべて相手の子をデュエルで負かしたりする。十代はデュエルが大好きだけど、その時の十代は心底つまらなそうにデュエルをしていると感じた。

「へへっ、幸せだな」

十代はちょっと顔を赤くして私に寄り添った。多分、十代のこんな顔を見たことがあるのは私だけだと思う。そう思うと嬉しくなってしまう。

「オレもう名前がいないと死んじまうかもなぁ」
「本当に?」
「ああ」

冗談みたいに笑う十代がおかしくて笑っていると、十代は「本当だって!」と私の頭をぐしゃぐしゃにかき混ぜた。
十代とこうしてアカデミアにいられる時間は限られている。だから一日一日を大切に過ごしていきたい。

「私も十代がいない生活なんて考えられないよ」

アカデミアを卒業しても十代とずっと一緒にいたい。十代の私への愛が異常でも、怖いと思うことはあるが、それが嫌だと思ったことは一度もない。結局は私も十代も、お互いに依存して生きている。それがお互いの好きなことができなくなるくらいの依存だとしても、将来の望みが失われたとしても、隣に十代がいてくれればそれでいいのだ。



ヤンデレを書き慣れていないせいか、爽やかなヤンデレになってしまいました。ヤンデレな十代は私の引き出しにはなかったので、今回新鮮な気持ちで書かせていただきました!
『希望を踏み倒して』からは、将来の希望が十代によって踏み倒されると解釈して書いていきました。
アキさん、素敵なタイトルをありがとうございました!


back