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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

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今日私は昼食にカレーを食べたい気分だったのでダニーズというファミレスにやってきた。

そこにはなんとキャメルもいたが私達は互いに他人のフリをした。

「あれ?もしかして葉月姉!?」

「和葉やないか!久しぶりやな!元気にしとったか?」

「もちろんや!葉月姉こそ今までどうしてたんや?日本におるなら言うてくれてもよかったやん!」

「すまんすまん。アメリカでの修行を終えて帰国してミステリー翻訳家デビューしてから何かとバタバタしとったんや。まあこうして会えてホンマに嬉しいわ。和葉こそ東京で何しとるん?」

「実はとある事件の相談をしに平次と一緒に毛利探偵事務所に向かっとるんやけど、ここのカレーめっちゃ美味いから、平次を先に行かせて皆にお土産買うてからアタシは向かうんや」

「大阪土産ちゃうんかい!ここのカレーやったら毛利さんかて食うたことくらいあるやろ!」

「あっ、せやな…まあ大阪なら小五郎のおっちゃん達何べんも来とるし何でもええんとちゃう?」

「せやな。てか毛利さんとは仲ええん?」

「仲ええで!特に娘の蘭ちゃんとは互いに幼馴染の探偵に恋する者同士でめっちゃ気が合うんや!平次は居候中のコナン君っていう小学1年生の子をえらい気に入っとるみたいで、子分みたいに扱っとるんやけどコナン君もめっちゃ頭キレるんやで!」

「へえ。私は毛利さんとは初めてこの前爆弾騒ぎがあった時に米花百貨店で、蘭ちゃんとコナン君とはもっと前に米花市内のショッピングビルで殺人事件が起きた時に初めて会うたで」

「やっぱあの連中事件を巻き込むんやな…アタシもあの3人に会う度に事件に遭うようになったわ…


「そら災難やな…」

なんて話していたら男子トイレからキャメルが出てきて警察を呼ぶよう店員に頼み、誰も店から出てはいけないと指示を出した。

「まさか何かあったんとちゃう!平次を呼ばな!」

「せやな…」

やはりこうなる運命なのね…

程なくして毛利御一行と平次と目暮警部と高木刑事とキャメルというメンツが集合した。

ただそのメンツの中に知らない人物が1人いる。

でもどこかで会ったことがあるような気がする…

私は隙を見てその人物を隠し撮りした。後でFBIの皆や赤井さんに見せれば誰か分かるかもしれない。

そして容疑者は1人で店に来ている男に絞られ、該当する者は3人いた。

手掛かりはキャメルがトイレで聞いた「阿部ちゃんに毒盛って殺したんはお前や」という一言のみとの事だ。

つまり犯人は関西人になるわけだが容疑者は誰1人関西弁など使っていない。

関西人を炙り出すにはわざとケッタイな関西弁を使って怒りを買わせるのが一番だ。それをコナン君にこっそり教えたら早速実行した。

私はというとコナン君に頼まれて味の濃い味噌汁を容疑者達と私達の分を店員さんに注文した。

コナン君のケッタイな関西弁に犯人より先に平次がキレかかったところで味噌汁が到着した。

全員で一斉に飲むと私と平次と和葉が辛いと言った。自分から注文したとはいえ耐えられなかった。

そしてもう1人…容疑者の1人である甘粕亨も辛いと言った。そしてコナン君のケッタイな関西弁攻撃が再び始まりついに関西弁でキレた。

コナン君ともう1人気になる人物である世良真純によると関東では塩辛い味の事をしょっぱいと言うらしい。関西では辛いと言うのが普通で関東の人に比べて薄味好き。だから味の濃い味噌汁を使ったとの事だ。ちなみにキャメルがトイレで聞いた阿部ちゃんというのは聞き間違いで本当はアメちゃんの事だったらしい。

証拠も揃っており逃げ場はないと言われた甘粕は私の方に逃げてきた。

フン、相手を間違えたわね…

私は赤井さんから仕込まれた截拳道をお見舞いしてやった。

「葉月姉めっちゃカッコええやん!アメリカで習ったん?」

「せやで。アメリカは物騒な国やからな。特に私みたいなアジア人女性は最もカモにされやすいんや。せやから習ったんやけど思いの外筋が良かったみたいで今みたいに犯人倒せるレベルにまでなったわ!」

「それは誰から習ったんだ?」

世良真純…私を探ってるわね…

「スリに遭った時に助けてくれた日本人男性よ。もう二度とカモにされないようにって。レッスンはきつかったけど習って正解だったわ」

「そうか…」

なんとか誤魔化した私は和葉達と別れキャメルと一緒にジョディと長官の元へ向かった。

私はともかく以前容疑者となり自分の身分を明かしたキャメルは長官から少々叱られていた。

そしてキャメルは私と同じく盗撮した世良真純の写真を2人に見せた。ジョディはどこかで見たかもしれないと答え、長官はこんな女は知らないと即答した。だが中性的な世良さんを私やキャメルと違って性別を聞いていない筈なのに女だと分かっていたのが引っ掛かった。

長官は年の功だと言ったが…

ちなみに私は世良さんに截拳道を教えてくれた人物を教えた時にわざと赤井さんもその人物に当てはまるように伝えた。

自分の職業をFBIだと答えたキャメルと截拳道に反応したという事は赤井さんに関係している可能性が高い。

赤井さんとかけ離れた人物を語ったらかえって嘘を付いていると怪しまれる事も考え、秘密にしている人物を隠していないと思わせる為にそうしたのだ。