4
私とキャメルはジョディに付き合わされて米花百貨店にやって来た。
何故ここかというと先日銀行強盗に遭った時に隣にいた赤井さんにそっくりな男がここで売られているキャップを被っていたからだ。
ジョディはキツい口調でキャップを買いにきた男の事を店員さんに聞いているがそれは無駄な事。
赤井さんは現在沖矢昴として生活している為本来の姿で買い物などするわけがない。
銀行にいた男はベルモットの変装だ。赤井さんが本当に死んだかどうか探りを入れているに違いない。
探りを入れているといえば赤井さんが死んだ事になった直後からバーボンという組織きっての探り屋が動き出したってキール基水無怜奈が言っていたけど…もしかしたらすぐ近くにいるかも…
とりあえず私はジョディともキャメルとも分かれて毛利小五郎達と行動することにした。
「ほう、葉月さんはミステリー翻訳家ですか!」
「はい。ミステリー翻訳家としては名探偵の毛利小五郎さんにお会いできて光栄ですわ」
私がそう言うと毛利さんは鼻を伸ばしていた。
事情を知っているだけに申し訳ないけどどこからどう見てもヘボ探偵にしか見えない…
そして私達はエレベーターに乗ろうとしたら紙袋を見つけた。
忘れ物かと思ったら身体に爆弾を纏っているおじさんに中身もおそらく爆弾だと言われた。
コナン君と行動を共にするとろくな事がないな…
という事で私はコナン君と毛利さんと蘭ちゃんと一緒に推理する事にした。
ちなみに紙袋に入っていたのは13着の赤いTシャツだった。これの謎を解かないことには私達は助からないのだが…
赤と13の組み合わせはまるで13日の金曜日に亡くなった赤井秀一を彷彿とさせているようだと思った。
程なくしてコナン君が毛利さんを麻酔銃で眠らせて推理ショーを始めた。犯人は店員で爆弾も偽物だった。
推理ショーを終えたコナン君はやって来たジョディから何かを聞くと血相変えて走り去った。
ジョディはそれを追いかけ、更に私もそれを追いかけた。
すると赤井さんに変装した人物が目に入り、ジョディは外に出てはいけないと叫んだ。
そんなジョディは沖矢昴にぶつかって尻餅をついた。
過失の割合はフィフティーフィフティーって…それを言ったら正体バレるわよ、赤井さん…
2人のやり取りを見ていたら外に出た客達が何か貰えると聞いて戻ってきた。
けれどそのような事実はなかった。コナン君が咄嗟に変声機を使ってアナウンスしたに違いない。
まあ…こういう状況だと間違った情報が飛び交う事もあるから不自然ではないだろう。
疲れて帰宅した私は来訪した安室さんを迎え入れて今日あった出来事を話した。
「それは災難でしたね」
「ホントですよ!まあ爆弾は偽物だったのでホッとしたんですけどドッと疲れました…」
「僕がたっぷり癒やしてあげますから」
「安室さんに頭撫でられるの好き…ふああ…眠くなってきました…」
「今日はこのまま寝ましょうか。たまには文字通り寝るだけなのも悪くないでしょう」
「でも…」
「そんなに熱視線を向けられたら我慢できないじゃないですか…」
「だって…」
「ではアラームを1時間後にセットしましょう。起きたらお願いしますよ」
「はい。おやすみなさい…」
このまま安室さんと一緒にいたいな…
なんて願った私は愚かだったと気付くまであと少し…