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赤井秀一がキールに撃たれて死んだ。
そんな筈はない。アイツを殺れるのはこの俺だけだ。
だいたい死体は黒焦げだったじゃないか。推理小説によくある死体すり替えトリックに違いない。
そう確信した俺は弱みを握っているベルモットに赤井そっくりに変装させてもらってFBIの連中の周辺をうろつく事にした。
「シュウ!」
あれはFBI捜査官のジョディ・スターリングだ。
泣いているという事は赤井が死んだと思っているという事だろうか。
彼女が追いかけて来たのでとりあえず逃げて隠れた。
「ジョディ!キャメルがごめんね…」
ジョディ捜査官に駆け寄った女性…隣人の葉月さんに似てるな…まさかな…他人の空似だ…
「私の方こそごめんね、葉月。あんなに取り乱しちゃって…」
「無理もないわよ。まだ好きなんでしょ?赤井さんの事…」
今葉月って…そんな…
君はFBI捜査官で赤井の部下だったのか…
「忘れなきゃダメよね!さあ銀行に行きましょ!」
「ジョディ…」
2人が入った銀行に俺も入った。
すると強盗に遭ってしまった。
「シュウ、きっとショックで記憶をなくしたのね…でもどうやって脱出したのよ?」
隣で縛られている俺は質問攻めにあっていた。
「ジョディ静かに!」
葉月さんが大声を出すと強盗団の1人が発砲した。
「テメェの方がうるせえ」
「すみませんでした…」
葉月さんはすっかり怯えてしまった。
何故だろう…
敵だと分かってしまったのに俺は君を守りたいと思った。
出会ったその日に「私の大切なXをあげる!」と突然言われて理性を失って組み敷いてしまった。
あの日から気になる女になった。
泣きながら俺の部屋に来たあの日は…赤井が来葉峠で死んだ事になった日だったな。
涙の理由が赤井だと分かって無性に腹が立ってきた。
FBI捜査官は皆俺が捕らえる。
でも君だけは組織に売ったりしない。
閉じ込めて俺だけのものにして何もかも忘れさせてやる。
そんな事を思っているとジョディ捜査官が強盗団にトイレに行かせてほしいと頼み、強盗団の1人が渋々連れて行った。
「ったく…ただでさえ私達目付けられてるのに何考えてるのよ…」
俺を惑わせている彼女が毒付いた。
そして暫くするとジョディ捜査官は気絶させられた状態で強盗団に放り投げられた。
「ジョディ…」
大したことないなFBI。罠にかけるなんて容易いな。
その為にも早く強盗団をなんとかせねば。
そう思っていたら調査対象の1人である江戸川コナンとその友人達が強盗団に立ち向かった。
江戸川コナンをこんなところで殺されるわけにはいかないので俺は隠し持っていた拳銃で強盗団の腕を撃った。
かくして事件は解決したのだった。
俺は無性に可愛い隣人に会いたくなって自分の部屋には帰らず、彼女の部屋のインターホンを鳴らした。
「安室さん!」
「どうも。今夜良いですか?」
「ええ…」
最初に誘ってきたのはそっちだというのに照れるとは…
面白い人だ…
もうすぐ俺だけのものにするから覚悟しろよ…
そう思いながら彼女の部屋で俺は思う存分彼女を貪った。