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「あらー完璧!ちゃんと変装できてるじゃない!これで私が毎週通ってチェックしなくても大丈夫ね」
「お世話になりました」
「まあ私的には会いにくる口実がなくなって少し残念だけど」
「有希子さん!」
「冗談よ、葉月ちゃん。嫉妬なんて可愛いわね!」
「だって有希子さん美人だから心配になるのよ!」
「あら嬉しい!」
「シュ、シュウ?」
「本当に赤井さんですか?」
今日は工藤邸に秀一に呼ばれたジョディ先生とキャメルさんもいる。
「声は元のままだろ?」
「でもそれ以外はまるで別人ね」
その後も暫く話していたが秀一が有希子さんにフライトの時間は大丈夫か聞くと有希子さんは慌てて私と新一の頬にキスをした。
「赤井さん、葉月ちゃんをよろしくね。葉月ちゃんは私の娘みたいなものだから泣かせたら許さないわよ」
有希子さんがいつになく真剣な表情で言った。
「ええ、もちろんです。葉月は俺が守ります」
秀一…嬉しい!
正直秀一にとって最も守りたい人は哀ちゃんだと思ってたけど、真剣な表情ではっきり言ってくれて信用できるようになった。
皆でタクシーに乗る有希子さんを見送って後は安室さんの話になったが、秀一は誰かの事で安室さんから殺したいほど恨まれているらしい。
潜入中にいったい何があったの?
そんな事を思っていると少年探偵団がやって来た。
新一が少年探偵団と一緒に別室に行った後、秀一から組織でラムというボスの側近が動き出したと聞かされた。
いよいよ新一を殺そうとしたジン以上の大物が現れるのだ…
翌日、私は新一と一緒にポアロに入った。
「いらっしゃいま…」
私達を見た安室さんは切ない表情を浮かべた。
「うそつき」
「君に言われたくはないさ」
2人のやり取りを見て私はちょっと笑ってしまった。
「葉月さん、あなた本当に赤井と付き合っているんですか?」
「そうですよ…」
「赤井なんかやめて僕と付き合ってくれませんか?」
「へっ?」
普段の人当たりの良い笑顔ではなく真剣な表情で告白された。
でも私の答えは決まっている。
「ごめんなさい。あなたの気持ちは嬉しいけど私には秀一がいますから!」
「そうですか…分かりました…」
「では失礼します。行こうコナン君」
「うん…」
私達はポアロを出た。
「安室さんが葉月さんに告白したのも驚いたけど、葉月さんがきっぱり断ったのにはもっと驚いたぜ」
「まあ私押しに弱くて断れない性格だからね…でも昨日秀一が有希子さんに私の事守るってはっきり言ってくれたから嬉しくてね。絶対に離れたくないの」
「フッ」
「何よ?」
「幸せ者だなって思ってさ」
「まあねー」
これから組織の事で益々大変になるだろうけど今だけは幸せを噛み締めていたい。
帰宅後、秀一に抱きつくと深く口付けられそのままベッドで愛し合った。
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