キミがいれば | ナノ

9

私は今昴さんの姿をした秀一と一緒にクリームシチューを作っている。

「最近この辺に現れた人物はいるか?」

「うーん、2人いるね。1人は世良真純ちゃん。書店で会ったの。最近蘭ちゃんと園子ちゃんのクラスに転校してきたんだって。探偵をしているらしいんだけどなんだか秀一の女版って感じ」

「ホォー…それはどういう意味だ?」

「秀一を若くした感じで性別聞かなかったら可愛い系イケメンだと思い続けたかも。で2人目が安室透さん。金髪で色黒のエキゾチックなイケメンで、最近毛利小五郎さんの弟子になった探偵よ。喫茶ポアロで会ったんだけどアルバイトも最近始めたらしい」

「2人目の人物には注意してもらっていいか?俺の知っている奴かもしれない」

「まさか組織の!?」

「いや、まだ確証はない。探る必要があるな」

「そっか。童顔で爽やかなイケメンのあの安室さんが組織の一員かもしれないのか…」

「うーん…」

「どうしたの?」

「少しは男心を分かってくれ…」

「あっ…大丈夫よ…秀一は外見も中身も私にはもったいないくらいイケメンだから!」

拗ねた秀一とかレアすぎる!

「葉月、悪いがあのボウヤがピンチらしいから行ってくる!」

「待って!私も行く!」

「危ないぞ」

「あら、秀一が守ってくれるんでしょ?」

「まったく…行くぞ」

そして私達はシチューを持って偶然を装って阿笠博士の家に行って秀一の車で新一の救出に向かった。

哀ちゃんは昴さんから組織の臭いを感じるらしいので私がなんとか宥めた。それでも新一の安否が気になるみたいですぐに恐怖心はなくなったようだ。

私は状況を聞く為に蘭ちゃんに電話をかけた。どうやら毛利探偵事務所で女性を人質に取った男が拳銃自殺したらしい。というのは人質の女性の嘘で実際は女性が男を殺し、もう一人の標的であるその男の銀行強盗仲間の女を探して殺す為に新一を人質に取ったらしい。

そして新一を乗せた犯人の車を見つけると昴さんから変なオーラが放たれた。これは哀ちゃんじゃなくても怖いに違いない。

「葉月、ハンドルを頼む」

「えっ、ちょっと!」

昴さんがハンドルから手を離してドアを開けたのを見て私は慌ててハンドルを握った。

すると安室さんとすれ違い、その瞬間昴さんはやろうとしていた事を止め再びハンドルを握った。

安室さんは自分の車をぶつけて犯人の逃走を妨げ、走って逃げようとした犯人を真純ちゃんがバイクで吹っ飛ばした。

2人とも乱暴すぎる…

私は車から降りて新一に駆け寄った。

真純ちゃんは新一に頬擦りをしている。

「コナン君、無事で良かった…真純ちゃんありがとう…でもあんまり無茶しないでね…」

「ああ…つい夢中で…」

安室さんはというと…

「分かりましたよ、ベルモット…」

えっ?

お礼を言う為に近寄ったらその名が聞こえた。

「葉月さん!どうしてここに!?」

「偶然蘭ちゃんに電話したら緊急事態だと分かったので同居人に車を出してもらって来ました」

「そうでしたか。またポアロに来てくださいね。あなたとお話ししたい事が沢山あるので…」

「は、はい…」

ヤバい!探られる!この人やっぱり…

「では失礼します!」

私は車に戻った。

この一件は解決したがこれから一波乱ありそうだ。

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