浮き憂き



「ねぇ、そういえば見た?J社の新作シャンプーの広告にショートが出てるんだけど、それがすっごく格好良いの!」
「うん、それ私も見たよ…!ショート爽やかでほんと格好良いよね!一緒に写ってる女優も可愛いし…!」

職場から家への帰り道、晩御飯の献立を考えながら何となく電車に揺られていれば、直ぐ隣からはそんな会話が聞こえてくる。ショート、という単語に思わず反応してしまった私は、失礼ながら人様の会話に聞き耳を立ててしまう。どんなに疲れていようとも、その単語に異常なまでに反応してしまうのは、いつからか身に染み付いた癖のようなもので。本当に自分でも呆れてしまうほど、私の頭はいつも彼のことばかりのようだ。

彼女達の会話の内容を聞きながら、そういえばついこの間、仕事で貰ったのだと彼がシャンプーの試供品を沢山持って帰ってきたのを思い出す。あの時貰った試供品の新作シャンプーが最近になって販売され始めたのだろうか。何となくそんな想像しながら、開いていたゲームアプリを閉じ、代わりに検索画面を開く。そして『ショート シャンプー』と検索すれば、沢山の検索結果が表示された。

そこには、やはり見覚えのあるロゴのシャンプーと、そしてそのボトルをすました顔をしながら持つ見慣れた男の姿があって。相変わらずモデル顔負けの整った顔立ちのその男に、悔しいほど視線が釘付けになってしまう。

その艶髪に、つい触れたくなる−−−
彼の隣には、そんなキャッチコピーが添えられていて。不意に私の髪に触れる彼の姿を想像し、思わず口元が緩みそうになってしまう。

今日はこのシャンプーの試供品、使ってみようかな。
そんな事を密かに考える。今日一回の使用で艶髪になれるかは怪しいが、いつもと違う私の髪に彼は気付いてくれるだろうか。…いや、そんな問いかけはきっと愚問だ。なぜなら彼は、シャンプーはおろか匂いの薄い化粧水を変えただけでも「いつもと違う匂いがする」と言ってくるのだ。無駄に研ぎ澄まされた野生の感覚か何かなのか、普段は色々と疎いくせに、こういう事はすぐに気づいて聞いてくるのが轟焦凍という男だ。でもそれは裏を返せば、普段の何気ない私の匂いを彼は知っててくれているという事で。そう思うと、何だか彼に愛されているなと自惚れてしまう。

今晩、彼は一体どんな反応をしてくるのだろうか。そんな些細な彼とのやり取りを想像するだけで、さっきまで仕事で疲れていたはずの私の頭は驚くほどに元気になる。

そんな浮足だった心のまま、何気なく検索した画像を下へ下へとスクロールしていくと、不意にショートと綺麗な女性が写る写真が表示される。
それに思わず反応してしまった私は、スクロールしていた指を止めて、そのまま食い入るようにじっとその画像を見つめてしまう。

そこには、白いシャツをこれでもかと言うほど爽やかに着こなしたショートが、女性を抱き寄せその美しい髪に触れる様子が写っていて。あまりにも洗練されたその一枚に、はっと息を呑んでしまう。
彼女の細くくびれた魅力的な腰にしっかりと回された彼の腕は逞しくて。不意にいつも私の腰を抱き寄せてくれる彼の腕を思い出し、胸がチクリと痛み出す。

いやいや、落ち着け、私。彼はこれを仕事でしているだけであって、別にやましさがある訳ではないのだ。そこに彼の意志など無いというのに、私が何かを思うのは間違えている。そう何度も頭の中で繰り返し、必死に割り切ろうと試みるが、胸が騒ついて仕方がない。そもそも彼と付き合うというのは、つまりこういう事なのだ。そんなの分かりきっていた筈なのに、どうしても心の狭い自分を上手く抑える事ができなくて。
浮かれていた心が、みるみるうちに沈んでいく。
彼は私のものなのに、なんてみみっちいことを思う自分が本当に嫌だ。こんなの、彼の隣に立つ女性として相応しくない。そう分かっていても、嫌なものは嫌なのだ。
身を寄せ合う2人が写る画像を閉じ、そのままスマホをぎゅっと握る。

今すぐ彼に会いたい。そして、優しく私の名前を呼びながら、私だけだと言って力一杯その腕で抱き寄せて欲しい。そうすれば、こんなモヤモヤとした気持ちなんて忘れ去ってしまえるのに。

自分ではどうすることもできない感情を胸に抱えながら、いつも通り最寄駅で電車を降りた。








「ただいま、名前。」
「おかえり、焦凍くん。」

時刻は夜の10時半、いつも通り遅めの時間に焦凍くんは帰宅した。玄関へと彼を出迎えれば、深く被った帽子を外しながら、こちらに向かって柔らかく微笑んでくれる彼がいて。たったそれだけの事なのに、彼に会いたくて堪らなかった私の心は、今にも泣き出しそうになってしまう。

そんな私の気など知りもしない焦凍くんは、そっと私の頬に大きな手を添え、いつも通り触れるだけのキスをする。ちゅ、というリップ音と共に離れていく焦凍くんの顔は、あまりにも甘くて美しくて。何だか胸が張り裂けそうになる。

しかし、そんな甘く触れ合う時間も束の間で、彼はいつものように手を洗う為に洗面所へと去ってしまう。それがほんの僅かな時間だけだと分かっていても、何だか無性に寂しくて。彼が消えていった洗面所へとのこのこと付いて行けば、今まさに手洗いをしている最中の焦凍くんの後ろ姿が目に留まる。
彼には少し低すぎる洗面台に合わせるように、曲げられた大きな背中が愛おしくて。堪えきれなくなった私は、後ろから彼の背中にぎゅっと力一杯しがみつく。彼の着ている薄手のコートに皺が寄るが、ごめんねと心の中で呟くだけで抱きしめる腕は緩めない。

「お…どうした、名前?」
「…何でもない、気にしないで。」
「?…そうか、分かった。」

そんな訳の分からない私の言動に、きっと焦凍くんは盛大に戸惑っている筈。だけど、私に何かを聞いてくることはなくて。言葉通り気にせず手を洗い終えた彼は、ゆっくりと自身のお腹にある私の手を解いていく。
邪魔だからもう離れろと言われるのだろうか。
そう思って慌てて腕を解けば、その場で彼はくるりと私に向き直り、そして正面からぎゅっと抱きしめてくれる。
突然視界いっぱいに広がった焦凍くんの洋服に、思わず驚き声を掛ける。

「焦凍くん…?」
「何でもねぇから、気にするな。」

そんなどこかで聞いたことのある言葉が降ってきて、思わず頬が緩んでしまう。

「そっか、分かった。」

そう言って、焦凍くんの背中へと手を回す。ぎゅっと彼にしがみ付くように抱き締めれば、それ以上の力で焦凍くんは私の身体を抱き締め返してくれる。その腕の安心感に、ついさっきまで不安で一杯だった私の心は、みるみるうちに温かい何かで満たされていく。

洗面所でこうして抱き合うなんて、何だかとても可笑しな光景だ。そんなことを彼の腕の中でぼんやりと考える。しかし、だからと言ってこのままこの手を離したりはしたくはなくて。彼の厚い胸板へと頬を寄せ、お願いだからまだ暫く離れないでと訴えかける。すると、私の頭を丁寧な手つきで撫で始めた焦凍くんは、何かに気付いたように口を開く。

「今日の名前、なんか違う匂いがするな。」

そう言いながら私のおでこに鼻を寄せた焦凍くんは、すんすんと態とらしく匂いをかぐ。何だかそれが恥ずかしくて、ぽんぽんと彼の背中を叩いてやれば、ふっと笑う声が頭の上から聞こえてくる。

「この匂い、焦凍くんも知ってるでしょ?」

そう問い掛ければ、焦凍くんは考えるように少しだけ黙り込み、そして首を傾げて答える。

「…俺の知ってる匂いか?名前からこんな蜜柑みたいな匂いがしたのは初めてな気がするけど…」
「うん、私が使ったのは今日が初めてだけど、多分焦凍くんは前にも匂ったことあると思うよ。」

そう、恐らく彼はこのシャンプーの匂いがするあの綺麗な女優の髪を何度もその手に掬い、そして匂いをかいだに違いない。それは1、2ヶ月ほど前の話にはなるが、こんな柑橘系でいい匂いがする髪を覚えていない筈などなくて。その上、あんなにも綺麗な女性の腰を抱き締め、髪の匂いをかぐ演出など、印象に残らない筈がないのだ。

私の髪から香るこの匂いをかいで、焦凍くんがその時の記憶を蘇えらせるのは凄く嫌だ。でも、焦凍くんが一体どんな気持ちであの撮影を行ったのは、何となく気になってしまう。

少し考えるような素振りを見せる彼に、「どう?」と答えを急かすような言葉を吐いてやる。すると、彼は明から様に考える事を放棄したみたいに首を横に振って言った。

「あんま覚えてねぇな。名前からした匂いなら、全部覚えてる自信はあるけど。」
「な…!…なにその凄い特技、」
「名前限定だけどな。名前以外の匂いなんて、興味ねぇから一々覚えらんねぇし。」

そんな事をあっけらかんとした表情で答える焦凍くんに、思わず唖然としてしまう。
本当に彼は、いつもいつもそうだ。聞いてるこちらが恥ずかしくなるような甘い言葉を忽然と、しかもさも当たり前かの様に口にする。こんなにも真面目な顔でそんな事を言ってくる彼は、私を一体どうしたいというのだ。ただでさえ私の頭の中は焦凍くんで一杯なのに、これ以上彼が私を翻弄する必要などどこにもない。

ああ、彼はこんなにも私を愛してくれているのに、私は何を不満に思っていたのだろう。
そう素直に思えるほど、何一つとして含みを持たない真っ直ぐな彼の言葉は、モヤモヤとしていた私の胸を晴らしていく。それどころか、あんなに考え込んでいた自分は一体何だったのだと吹っ切れて、思わず笑いが込み上げる。

「ふふ、何それ…変なの。」
「?…そうか?別に普通だと思うぞ。」

突然笑い出した私に、首を傾げる焦凍くん。
ああ、そうだ。彼は昔からずっとこういう人だ。誰よりも真っ直ぐ真剣に私のことだけを見つめてくれている、一途で美しい純粋な人で。そんな彼だからこそ、私はどこまでも深く深く恋に落ちてしまっているのだ。

「お腹すいたでしょ?ご飯にしよっか。」

そう言って彼を抱きしめる腕を解き、そして食事の準備を済ませておいたリビングへと彼の手を引こうとする。しかし、彼はまだ引っ付いていたいと言わんばかりに、背後から私の身体を抱き直してきて。そんな彼に「焦凍くん?」と声を掛ければ、私の首に顔を埋めた焦凍くんは低く甘い声で「いい匂いだな。」と囁いてくる。もう、また男は突然そういうことを…!
ドクドクと心臓の音が大きくなるのを誤魔化すように、「向こうに行けばハンバーグのいい匂いがするよ」と言えば、彼は少しだけ笑って「ああ、確かにハンバーグの匂いも名前からするな。」と返してきた。







夕飯を食べ終え、お風呂に入ってしまった焦凍くんを待つようにソファに座り、ぼんやりとテレビを眺める。いつもは見ないドラマを何となくつけていると、映像はいつの間にかCMへと切り替わる。馴染みのある車や化粧品のCMを流し見していると、次の瞬間には見覚えのあるシャンプーのロゴが画面一杯に映し出され、ドキリと胸が跳び上がる。
まさかと思い動揺していれば、画面にはヒーローショートと美人女優の姿が映し出される。それは今日まさにスマホで検索した通りの光景で、身を寄せ合う美しい2人の姿に、せっかく収めたはずの胸の騒つきがじわじわと蒸し返されていく。

どうして私はいつもこうなんだ。ついさっきまで、焦凍くんはあんなにも優しく私を抱き締めながら、真っ直ぐな気持ちを伝えてくれたのに。私が何かを不安に思う必要なんて、どこにもない筈なのに。

それでもやはり、私ではない別の誰かを彼がその腕に抱く光景が、どうしても受け入れ難くて。

こんなみみっちい女など、彼の隣に立つのに全然ふさわしくない。もっとこういう事に理解のある女でいなければ、きっといつか面倒臭い奴だといって彼に捨てられてしまう。
そう自分に言い聞かせ、膝に抱くクッションをぎゅっと握り締めながら、そこに顔を埋めていく。

胸に渦巻く嫌な気持ちを抑え込もうと、固く目を瞑っていれば、突然リビングの扉が開く音が聞こえてきて、慌ててクッションから顔を引き剥がす。ハッとなって視線を上げたその先には、今まさに風呂から上がって来たばかりの焦凍くんが立っていて。目を見開きキョトンとする彼と視線が絡まれば、さっきの姿を見られたのだと気付き、何だかバツが悪くなる。
「お、おかえり」と何とか笑みを浮かべてみるが、明らかに不自然な私の対応に焦凍くんは何も返してはくれなくて。無言のままこちらへとやってきた彼は、そのまま私の隣へと静かに腰を下ろした。
そんな彼の一連の行動が理解できず、おろおろと一人戸惑っていれば、隣から私を見つめる焦凍くんは首を傾げて尋ねてくる。

「?…さっきみたいに甘えてくれないのか?」

そんな突拍子もない彼の言葉に、思わず「え、」と呆気のない声が溢れてしまう。目を見開き驚いている私を、目の前の焦凍くんはただ不思議そうに見つめていて。

どうやら彼は、私に甘えられるのをこうして隣に構えて待っていたらしい。その様子からして、恐らく彼はさっき洗面所で私が何も言わずに抱き着いたようなのを期待していたみたいだ。

心の狭い女だと彼に気付かれたくなくて、渦巻く醜い気持ちを自分の中で処理しようと必死に足掻いていたというのに。こんな甘え待ちの彼が目の前にいては、盛大に頼ってしまいたくなる。
一体どうすれば良いのかと躊躇っていれば、彼はそっと私の方へと腕を伸ばしてくる。

「名前が甘えてくれねぇなら、俺が勝手に甘やかすぞ。」

そう言った焦凍くんは、そのまま私の身体を引き寄せて、ぎゅっとその腕に閉じ込める。風呂上がりの彼からは、いつも使っているシャンプーの匂いや、スエットから香る柔軟剤の匂いがして。自分の髪から香っていた慣れないシャンプーの匂いが掻き消され、心がゆっくりと落ち着いていく。

何も言わず、ただ私の額や髪に次々とキスを落としていく焦凍くんと不意に視線が絡まれば、ふっと優しく微笑まれて、心臓がドクドクと音を立てる。

不意に、さっきテレビで見たあの綺麗な女優がショートにしていたのと同じように、私も焦凍くんの腰へと手を回してみる。緩いスエット越しに感じる、引き締まった逞しい彼の身体。あの女優もこうしてシャツ越しに焦凍くんの身体に触れたのだと思うと、何だか胸が痞えるように苦しくなる。

「焦凍くん、」
「ん?どうした?」
「…焦凍くんは、ずっと私の焦凍くんでいてね。」
「ああ、俺はずっと名前のだ。誰が何と言おうと、絶対に。だから名前は何も心配しなくていい。」
「本当?私よりも綺麗な女の人に言い寄られても、絶対に私の焦凍くんで居てくれる?」
「当たり前だ。というか、名前より綺麗な女の人なんかいねぇだろ。」
「そ、それは流石に言い過ぎだって…!」
「そんなことねぇ。名前以外は皆んな同じようなもんだ。」
「いや待って、それはそれでどうかと思うけど…!」

そんなとんでもない事を口にする焦凍くんに、思わず苦笑してしまう。これを世間の女性が聞いたなら、きっと発狂して卒倒するに違いない。彼のファンがどれだけ熱狂的なのかを、私はよく知っている。

少しでも彼女の痕跡を掻き消したくて、彼に回した腕に力を込めれば、私を抱きしめる焦凍くんの腕にもぎゅっと力が入る。例え誰に身体を触れられようとも、彼が愛しているのは私だけ。彼とこうして抱き合って、ほんの少し言葉を交わすだけで、簡単にそう確信できるというのに。一人きりで考えていると、どうしても不安や嫉妬が先立ってしまう。本当に、私はなんて面倒な女なのか。
そんなことを考えていれば、彼の親指は私のこめかみを優しく撫でてくれる。

「名前も、ずっと俺の名前で居てくれ。俺よりも格好良い男が言い寄ってきても、絶対にだぞ。」
「私は何があってもずっと焦凍くんのだよ。」

そんなの、当たり前だ。私はこんなにも彼のことが好きなのだから。何の躊躇いもなく言い返せば、焦凍くんは少しだけ頬を緩めながら私の額に唇を寄せる。

「そもそも、焦凍くんより格好良い男の人なんて存在しないよ。」
「いや、いるだろ、普通に。」
「?…それは一体どこの世界の普通かな…?」

そんな私の問いかけに、そんなに色々な世界があるのかと首を傾げる焦凍くん。相変わらずな彼の天然に、何だか可笑しくなって笑ってしまう。
あまり激しく笑ったつもりはないけれど、気付けば目尻には涙が溜まっていて。それを指で拭っていれば、突然伸びてきた焦凍くんの手がぎゅっと私の手を握りしめる。

「…なんかあんま大したこと言ってやれなくて、悪りぃ。名前が不安に思ってること、俺はちゃんとクリアにできたか?」

そんな言葉が焦凍くんの口から紡がれて、思わず彼の顔を見上げる。すると、そこには優しく私を見つめる綺麗な色の瞳があって。
ああ、彼はきっと、何かも分からない筈の私の不安を、どうにかして取り除こうとしてくれていたのだ。何も話そうとしない私の気持ちを察し、ただ優しい言葉や態度で私を安心させようとしてくれていたのだ。
そのことに気付けば、彼の優しさにじわりと胸の奥が熱くなってくる。

「うん、ありがとう。焦凍くんのお陰で、もう平気だよ。」
「そうか、なら良かった。」
「あの、でもね、その…私、また同じことを思っちゃうかもしれないから、えっと…」
「ああ、大丈夫だ。名前が少しでも不安に思うことがあれば、何度だってこうする。だから、名前は何も心配しなくてもいいんだ。」

そんな言葉を穏やかな声色で紡ぐ焦凍くんに、胸がいっぱいに満たされていく感覚になる。どうして彼は、いつもこんなにも優しく私の心を攫ってしまうのか。愛してるなんて言葉は一言も口にされていないのに、彼が私を愛してくれていることが、これでもかと言うほどに伝わってくる。

彼の言葉に頷きながら「ありがとう」とお礼を言えば、焦凍くんは「名前がさっきみたいに甘えてくれるなら、むしろ役得だ。」と言って笑って見せた。




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