忠勝、元親、独眼竜、お市殿、ワシを慕ってくれる家臣たち・・・みんな、みんな大切だ。勿論、お前もだぞ。三成。
 そう言って家康は頬を染めて三成に微笑んだ。
 そんな家康を一瞥すると目を伏せた三成はくだらんと鼻先で笑った。
 少なからず家康はがっかりしたし、傷つきもした。精一杯の告白だった。
 笑っているのも辛くなり、目を反らそうとすると、三成の切れ長の眼がすっと見開いた。朽葉緑黄の瞳が爛と光る。
「くらだん枠で、私を囲うな」
 そして、家康は触れれば切れそうな眼光に胸を射抜ぬかれた。



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