ドロリとした生臭い熱が丹田から噴き上がった。嵐のような興奮と高揚が骨の髄まで侵してゆく。
 意志の力が斯様に脆いものだと思い知り、苦渋を舐めたのはずっと後のこと。
 目の前が白熱して白くなると、獣のような己だけがそこにいた。冷静や客観は焼けて爛れて跡形も無い。
 家康の剥き出しになった瑞々しく引き締まった両の太腿をぐっと押し広げ、秘められている処を露にした。内股や下腹は腕や顔の色とは違う象牙色をしていて、ふっくりとした恥丘の和毛をより濃く浮かび上がらせた。三成は上半身が動かぬようにしながらも尻が浮くくらい高く足だけを上へと押しやり、その茂みの下に慎ましやかに口を閉じ合わせた家康の女陰を暴いた。袷を割った狭間から、皮を剥いた果実のような赤が細く覗く。
 三成はぎりりと歯噛みをすると、険しい顔つきで己の荒々しく甲冑の下のみを取り払い、袴を緩めて下帯を掻き分け、大きく形を変えている己の股間を開放した。
 三成は再び篭手を嵌めたままの手を伸ばし、家康の秘処を荒々しく左右に割った。剥き出しになった艶やかな淡紅色に己を宛がい、ぐっと腰を進めた。
 体を起こしたまま腰だけを進め、己の怒張が家康の膣の中にずぶずぶと這入っていく様子を食い入るように見入る。
 押し入った部分が、粘膜の感触に包まれる。申し訳程度の湿り気しか帯びぬ隘路は強引に狭い場所を割り裂く三成を圧迫し、痛みを齎した。三成でさえ、痛むのだ家康の苦痛は如何ほどであるか推し量るのは難しいことではない。
「・・・う、あぁっ!」
 家康の押し殺したような呻き声に気づき、股座に釘付けになっていた目を上げると、三成が見たものは大地を掴むかのように爪を立てている黄金色の手甲を嵌めた瘡蓋や生傷だらけの手であった。
 脳天を槌で打たれたような心地になって、三成は恐る恐る頭を上げて伸び上がり、家康の顔を覗き込んだ。
 首の両脇に刀を突き立てられた家康は動くことも叶わず、目をぎゅっと閉じて顎を反らし、息を詰めていた。痛みと屈辱を受け入れているのであろう、耐え忍ぶ唇が切れて、血が滲んでいる。また、左の首筋からも一条の血を流していた。三成の暴虐に耐えかねて、体が動いた拍子に首筋に刃があたって切れたのであろう。
 今、自分はあの家康を犯している。
 五七の桐の御旗を押したて敵地を進撃し、供に戦場を駆けてきた誇り高き武士を陵辱している。
 自覚した途端に三成は断崖から身を投じたような失墜感に襲われ、肩先からみるみる熱が醒めて冷たくなっていった。




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