※セクハラ発言注意


ピンポーン。ピンポンピンポンピンポーン。時刻は夜の1時を回った頃。今日は飲み会があるから先に寝てろ、とトシに言われていたので、私は既に床についていた。うつらうつらとし始めた頃、インターホンが絶え間無く鳴り響き始めた。誰だこんな時間に、しかも連続で鳴らすな近所迷惑だ。急いで枕元の眼鏡をかけて玄関へ走ると、顔を真っ赤に染めたトシが据わった目をして立っていた。

「名前〜」
「おかえ…うわぁっ、って酒くさ!」

酔っ払い特有の酒の臭いを充満させて、トシはなだれ込むように私に抱き着いてきた。重い。くさい。なんとかして玄関からリビングへとトシを移動させてソファーに座らせる。もう、お酒弱いのに、また銀さんと飲み比べしたのだろうか。水を一杯手渡すと「いらねー」と言って私の腕を引いた。私はトシの足の間に着地。こいつ相当酔ってるな。
後ろから抱えるようにして私を抱きしめる姿は、昼間の彼の姿とは真逆の甘えん坊の子供のようだ。まあ、酔ってるからだろうけれど。なんかちょっと可愛いな、と思って放って置いたら 私の髪に顔を埋めてすんすん嗅ぎはじめた。どうした鬼の副長。

「トーシ、すんすんしないで」
「やだ」
「やだってあんた…ちょ、こらどこ触って」
「ほんと、体はちっこいのに出るとこ出てるよなお前」
「や、やめ、」
「しかも何?寝間着に眼鏡って。可愛すぎだろマジ」
「なにって、毎晩見てるじゃん…って、んぁ、や、めろ!」

後ろからやりたい放題の変態を止める方法を知らない私は、トシの脇腹にとりあえず力任せに一発お見舞いした。決まった。
だってこうしないとやられてた。色んな意味で。プルプル無言で震えながら脇腹を押さえるトシには悪いが、急いではだけた寝間着を元通りにして トシの酒臭い隊服を脱がせにかかった。

「…てめ…名前…」
「酔いは覚めましたか、鬼の副長さん」
「…はい」
「もー、いくらトシだからって、酔っ払った勢いで襲うなんて許さないからねー」

とは言ったものの、一瞬流されそうになった自分がいるのは否めないな。と苦笑しながらトシの隊服をハンガーにかけ、ファブ◯ーズをシュッシュッとかけていると またしても後ろからトシに抱き着かれた。また変な事をされるのでは、と身構えていると、意外な言葉が頭上から降ってきた。

「…酔った勢いとか、ねーよバカ」
「え?」
「だぁから…名前だから、触りたいって思うんだろが」

後ろから抱き着かれているので、表情は見えない。が、今きっと トシの顔は真っ赤なのだろう。慣れない事を言って、耳まで赤くさせて。くすりと微笑んで振り返ろうとすると、目をトシの大きな手で覆われて口づけをされた。ほら、やっぱり 顔が赤いのを見られたくないからでしょう。
本当に、可愛い人。












キ ャ ラ 崩 壊 /(^O^)\

20121201
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