前回の1件から、変態が代名詞のアレンという男と 距離が近くなった。それは、心の距離という意味では無く、物理的な意味で。近い、近いよあなた。寒い冬ではある今日この頃だが、天気も良く日差しも暖かいので、公園のベンチで読書をしていたらいつの間にかコイツがいた。誰だと振り返ったら「私だ。」と満面の笑みで答えられた。お前だったのか。
それからというもの、私の手を握ってきたり頬を突いてきたり、やりたい放題のコイツに余りにも苛つきキッと睨みつける。

「ああ、ごめんなさい。だんごが可愛すぎて思わず」
「…なにそれ。とにかく読書の邪魔はしないで」

私が注意してからというもの、読書の邪魔こそしないが、ずっと笑顔で私の顔をアレンは眺め続けていた。なにが楽しくてこんな女の横顔など眺めているのだろう。
視線に耐えられなくなり、本を閉じて彼に向き合う。本当、ストーカー行為さえなければ完璧な外見なのに。


「…ねえ、本当、さっきから何してるの」
「何もしてませんよ?」
「嘘だ。人の顔見てニヤニヤニヤニヤ。なに考えてたのよ」
「……そうですねぇ、強いて言うなら…

人類の造形美に思いをはせていたところです


つまり、だんごが可愛すぎるってことです。


…説明いらないから。






20121208


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