私はよくこける。
小さな時から膝や手に毎日の様に傷を作って帰って来るほど。自覚はしている。だから、階段を下る途中に足を滑らせて落ちそうになっている 今、私は冷静に怪我への対処を考えるのだ。
骨、折れるような怪我じゃなかったら良いなー。

目をつむって次に訪れるであろう衝撃に備えていたが、なかなか痛みは感じない。痛みないってことは、死んだか私。とか考えながら 恐る恐る目を開く。お花畑じゃありませんように


「……あれ、」

「…いって、…平気ですか?」

目の前には白髪の男の子。頬には変な文字。このひと、見たことがある。確か…、 あぁ 名前が出てこない。
倒れた男の子に重なるように抱きしめられている状態の私。あぁ、助けてくれたのだろうか。

「…す、すみません。ありがとうございます」


早く彼の上から退こう。体に力を入れると、腰あたりに違和感が走った。
……撫でられて、いる。
自然じゃない、明らかに下心の篭った手つきで。


「………あの。」

「ああ、すみません」






転んだら危ないと思って支えてたんです



嘘つけ、変態。







2011/04/30
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