2012/12/20 12:36




血の海の中で、誰かが泣いてた。

凛斗…?
って声を掛けたら

その子は泣くのをピタリと止めて口許を歪ませて僕をみた。


未だに誰だか判らない。

でもその子が僕の後ろを指差すから、ゆっくり振り向いたら

何十っていう死体が転がっていた。

その中に彼も凛斗もいて

私は泣き叫んで駆け寄り抱き寄せる。

彼等の息はない。


くすくす、と笑い声が当たりに響いて


殺シタノハオ前ダロ?、って

急に目を開けた彼等に首を絞められる。

苦しくて歪む視界でその子を見つめたら

それはもう一人の僕で


大丈夫、お前が死んでも僕が生きてやるよ

って、そう告げられる。


そこで僕の意識は途切れた。




起きて一番に確かめることは

僕と凛斗がこの世にいるか、ってことと

彼の無事。



まだ、"僕"の笑い声が
頭から離れない。




comment (0)


Copyright(C)Hibiki Sakuya
All rights reserved.
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -