入部

先生の話を聞いてまた昨日同様さようならをする。





「あ、切原」



『……何ですか』



「そんな嫌そうな顔するなよ…」



『すいません、つい』



「ま、良いや…お前部活入らねーの??」



『…家の事やらなきゃいけないんで』





そう言って教室を出ようとした。




「…テニス部のマネやんない??」



『……は?』



「ダメっ!!」





そう言って千春が私の腕を掴んだ。
私はただ千春を見つめる…





「テニス部だけは…ダメ」



「……土日だけ頼めねーかな??」



『えっと…』



「頼む…」



「綾菜、絶対にマネージャーなんてやったらダメ…」



『………千春??』



「チッ…じゃあ中学生と合同練習の時だけでも良い」



『…あー』



「綾菜っ!!」



「…」



『…やりますよ、やります…但しその中学生と合同練習の時だけ…後は夏休みの暇な日』



「本当か!?」



『その代わりセクハラはやめてくださいね??』



「おう!」





そう言って笑った先生は不覚にも格好いいと思ってしまった。
千春は不服そう…





「なら私もマネージャーやるっ」



「は?」



「良いでしょ?」



「………やだって言ったら」



「綾菜をマネージャーに何てさせない―」



「わーったよ…お前も中学生と合同練習の時だけだよな??」



「………いや、土日と夏休みだけ」



「…」



『…あのさ、紙とかに書かなくて良いわけ??』



「「あ」」





岬先生は慌てて゛ここで待ってろよ!!゛と言って走って職員室に向かった。



千春は何故か気まずそうにしている。





『……テニス部に何かあるの??』



「っ…まぁ」



『ふーん…ま、いいけど…岬先生早く来ないかな…』



「そうじゃな…ぁ」



『……ハハッ』





顔を赤く染めた千春。
多分これが素なんだろう…



私は笑う。
千春は益々顔を赤くする、それが可笑しくて私はまた笑う。





「ゼィ…何…笑ってんだよ…」



『フフ…何でも…』





岬先生は走って来たのか息が上がっている。
私達は岬先生から紙を貰いその場で入部届けを書いた。





『じゃ、先生さようなら』





さぁ、家に帰ろう
今日の夜ご飯はー…カツにしよう。
あー…眠っ




20120123



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