退院

朝起きて病室の片付けをする。
タオルや歯ブラシ等をバックに詰める、パジャマは脱いで私服に着替える。
お菓子は全部食べたのでない。





『あー…疲れた』





朝から荷物を詰めて疲れた私はソファーに寝転がる。
今日は運が良いのか悪いのか服装がいつもと違う。
フリフリのスカートなんてまず履かない…
お母さんの趣味がフリフリなだけで。



お母さんに荷物持ってきてもらうんじゃなかった
とか思ったが今日1日我慢すれば良いだけ。
私はガムを噛みながらソファーから立ち上がり最終確認をする。





『……うん、忘れ物はない』





私は鞄を持って病室を出た。





コンコン
と幸村くんの病室のドアをノックする。
中から返事が聞こえる前にドアを開け中に入った。





「おはよう…」



『おはよ…』



「もう行くの??」



『うん…もうすぐで来るみたいだから』



「そう…」



『…病院来たときはちゃんと顔だすからね??』





そう言って笑いかけた。
幸村くんも同じように笑い返してくれた。





「…綾菜ってそんな服着るんだ」



『……これはお母さんの趣味よ』



「へー…でも良く似合ってる」



『…ありがとう』





私は不覚にも幸村くんの笑顔にときめいてしまった、私はそれを隠そうとして幸村くんの髪をくしゃくしゃにして病室を出た。





『…中学生のくせして』





頬の熱が下がるように冷えている自分の手を頬に当てる。
…しばらくこの熱は下がらなさそうだ



私はエレベーターに乗って退院手続きをするため1階に向かう。




『…跡部くんは10時につくんだっけ??』





メールを確認すると10時に病院に着くと書いてあった。
後30分…



私は早速、退院手続きをする。
入院費はお母さんがちゃんと置いていってくれたので心配はない。





「では、お大事に」



『ありがとうございました』





10時10分前に何とか終わった。
私はそのまま病院を出る。





「綾菜」



『…あ』





名前を呼ばれ後ろを振り返ったら跡部くんが立っていた。
跡部くんはいつもの生意気な笑顔を浮かべている。





「………」



『何よ…』





下から上へ、舐められる様に見られ自然と眉間に皴が寄る。





「なかなか良いじゃねーか」





そう言われて唖然としてしまったのは当たり前だと思う。



不覚にも
最近の中学生は侮れない。
あー…今すぐにでも着替えたい。




20120228



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