近頃世界が僕に優しい


近頃世界が僕に優しい
空を掻く爪先
肌を暴く指先
愛を語る口先
絡ませた舌から微熱
きっと溺れて息も出来ない
咲く花の名も知らず
心臓部に君がいた
蜜になるまで煮詰めて頂戴
透き通る青春の日
撃ち抜いたのは君だろうに

甘すぎて反吐が出る
骨抜きの刃
熱くて甘くて少し苦い
着地点を探している
ポラリスの受難
引き金に添えた指先を
生憎僕の心臓は鼓動を止めない
出口なんて何処にもない
本当は君が知らないだけ
愛しの落果
逆さの鱗

耽溺する青に降伏
欺瞞をくれればそれでいい
酸化した宇宙を半分こ
幽明の国境にて
逃げられないから僕は泣く
鼓動を奪った罪について
壊して下さいませんか
泥濘に沈む胎児
星空を見下ろしてみた
満たされる日など来ない
処刑台へ向かう

明日もこの手は繋いでいよう
温かな核細胞を頂戴
濁った先が見えない
そして処女膜に触れた
冒涜してみよう
この激情をなんと呼ぶ
破廉恥に呼気を濡らす
僕の声が聞こえますか
青臭い落下地点
そんな目で僕を見るな
病みつきの隣人
「#甘甘」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -