ベイビーピンクの口紅で
ベイビーピンクの口紅で
それは無敵の愛でした
誰かが泣いた日のこと
優しくなんかない
波に揺らぐ白昼夢
例えば海を泳ぐ月の話
僕の小指は震えていた
無垢をどこへ捨てたの
いっそ窒息死を望む
唇が誘うからいけない
夜明け前の睦言
赦されない気がしてた
愛と道化
白磁の神様
縋る首はすぐそこ
唾棄すべき真実
嘘だってかまわない
心臓が灼けていく
侵されざる領域
曖昧を回避して
止まらぬ指を誰が咎める
罪深き神を裁け
断罪にすら及ばず
果ては消滅を願う
涙は枯れたと思っていた
境界線に膝を折る
それは知らない物語
永劫混じることはない
懺悔など不要か
誰もがその先を知りたがる
翼一つじゃ飛べない
論理的に愛を述べよ
あの星が見えるか
僕らの世界聖戦
恐らくは誰も知り得ない
宇宙に果てがないと知って
啼いて殉情、足掻いて熱情
息を継ぐのも許さない
どうやら神は不在らしい
空は青い、僕は飛べない
種明かしなどするものか
一番優しい殺し方
産まれた日を思い出して
君の灰はまだ熱い