セカンド・ヴァージン-5/5-






根元までしっかりと昂ぶりを飲み込んだ秘所はしっとりと熱く、フリオニールを締め付けるように蠢いている。フリオニールを更なる快楽へと誘う刺激は少しでも動かしたら暴発してしまいそうなほど…とてつもなく危険で、それでいてとてつもなく甘美な感覚。

「ライト…その、俺」
「だから…なんてことはない」
「違うんだ、やっぱりあんまり…その、保ちそうになくて」

情を交わす相手にこんなことを口にしなければならないのも情けない話だと頭で思わないわけではない。
だが、今言ったことには何の嘘も偽りもない。眩暈を起こしそうなほどの強烈な快感が、直接的にライトニングと繋がってる昂ぶりから駆け上がって全身を支配している―

「気に…するな」
「ライト…」
「私が、気にしていないんだから…気にするんじゃ、ない」

自分がどう感じているか、全てを悟った上でそれを赦す様に呟かれたその言葉がどれほどの力を持っているのか、彼女は知っているのだろうか?
フリオニールは一度きつく目を閉じると、ライトニングの優しさに応えるかのようにきつくその身体を抱きしめてゆっくりと腰を引いた。
瞬間的にライトニングの整った顔が微かに歪む。痛みに耐えているのだろうか、それとも―フリオニールにはそこまでは分からないとは言え、ここでやめてしまうのは彼女の優しさを、覚悟を無下にしてしまうことだと言うのは分かっている。
覚悟を決めるかのようにもう一度昂ぶりを奥までねじ込む。ライトニングが上げた声には苦痛の色が含まれていて、それがフリオニールの中に再び躊躇いを生み出す。
だが、目の前が真っ白になりそうなほどの強烈な快感を逃したくないと身体が上げる叫び声にフリオニールはもう逆らうことは出来なかった―
再び引き抜けるギリギリのところまで腰を引き、深く打ち付けるかのようにライトニングの中へとねじ込む。絡みつく熱が背筋を通って脳髄まで駆け上がるほどの強烈な快楽をフリオニールにもたらす―ほんの少し残された理性が音を立てて瓦解していくのが、フリオニール自身にも分かっていた。

「ライト…好きだ、ライト…!」
「っ、ああ…私も…」

途切れ途切れの呼吸の合間から苦しそうに呟かれたその言葉に誘われるかのようにフリオニールは身体を大きく動かす。もっと奥まで、とライトニングの腰に手を添えて持ち上げた刹那、先ほどまでとは全く違う締め付けがフリオニールを襲う。
想像もしていなかった刺激に、ギリギリのところで保たれていた欲望が一気に高みへと押し上げられ―耐えようと唇を噛んだ時には既に遅く、フリオニールの意識を飛ばしてしまうほどの強烈な快感と共にライトニングの身奥に熱い劣情が吐き出されていた―
突然過ぎて自分でもどうしてこうなったのか分からないままライトニングの身体に圧し掛かるようにしながら呼吸を整え―フリオニールはちらりと視線だけでライトニングを窺う。

「あの…えーっと」

予め言ってあったとは言え、やはりこの状況が気まずいものであることに変わりはない。
言葉が続かないまま視線だけでライトニングを窺っていると、再び背中をぽんと叩かれる―相変わらずの優しさをもって。

「だから、気にするな」
「え…あ、ああ」

そして、慰めるかのように重なった唇。その暖かさがとても心地よくて、そして―嬉しくて。
フリオニールの胸の奥にこみ上げるのは先ほどまでとは違うとても穏やかな感情。

「…そもそも、私がそれだけお前を満足させられていると言うことだろう。嫌がる理由なんてどこにもない」
「うん、確かに…ライトの中、凄く気持ちよくて…それで、その」

言い訳にしかならなさそうな言葉を紡ぎながら、フリオニールはひとつ大きく息を吐く。
そして、そのまましっかりとライトニングの身体を抱きしめた。触れ合った素肌の感触がとても心地よくて―情けないと感じていた気持ちと摩り替わるかのように大きな幸せがフリオニールを満たしていた。

「それに」
「ん?」
「…これから、慣れていけばいい。お前も、私も」

囁かれた言葉にフリオニールは大きく頷いてみせた。それに対して、微かに頬を紅潮させたまま返って来た笑顔はまるでこの世ならざる存在であるかのように美しく―それが、フリオニールの目を引く。
瞬間的に瞳を奪われ、無意識のうちに大きく喉が鳴る―そして、気付いてしまった。先ほど昇りつめたばかりのはずだと言うのに、再び自分の中に熱が沸き起こったことに。

「じゃあ、さ…その。早く慣れるために、もう1回…ダメかな」
「…お前は…」

まるで子供の我侭のように呟いてみた言葉に、呆れたように返って来た言葉と―口調に反して優しく背中に回された腕がフリオニールの中に芽生えた熱を更に加速させていく。
止める必要などない。止まる必要などどこにもない―ライトニングが、赦してくれるから。
自分にそう言い聞かせながら、フリオニールは再びきつくきつくライトニングの身体を抱きしめていた―ふたりの甘い甘い夜は、まだまだ終わらない。


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