魔列車で行こう-side/deep- -5/6-
ほんの数刻前までは寒さに震えていたのが嘘のように身体が熱い。まるで身体の中で炎が燃え盛っているかのように火照る身体。間近に見えるライトニングの額にもうっすらと汗が浮かんでいるのが見て取れる―この熱は自分だけのものではなく、ふたりぶんの熱が合わさって余計に高めあっているのだとそこで気付いた。
絡めた指を解いてライトニングの背中に回し、力強く引き寄せるとそのまま唇を奪った。
何の躊躇いもなくライトニングの舌がねじ込まれしっかりと絡み合う―その間も繋がり合った部分はひくひくとフリオニールを誘うように蠢いていて、口付けと合わせて緩やかな快感がもたらされ続ける。
じわりじわりと自分を蝕んでいくようにすら感じるもどかしい快感は逆に苦痛ですらあって―耐え切れなくなったフリオニールは一度ライトニングを抱き寄せたまま身体を起こすと、背中に回した腕をライトニングの脚に添えた。
「…今度は俺が頑張る番、かな」
冗談めかしてそんなことを言いながらライトニングの脚を伸ばさせ、その身体の下に入り込んだ自分の脚を大きく開くとそのままライトニングの身体をベッドに押し倒した。
先ほどまで見上げていた時には気付かなかったが、真下に見下ろすライトニングの空色の瞳にはうっすらと涙が浮かんでいる。その涙を舌で舐め取ると、腰に手を添えたまま深々とライトニングを貫いた。まるで、自分自身を刻み付けるかのように。
「あ…っ、ん…は、ぁ…!」
ライトニングの口から漏れる言葉はもう、言葉として意味を成してすらいない。だが、フリオニールにははっきり聞こえていた。快楽を訴えるその声の奥底で、ライトニングが言おうとしていることが。
「愛してる…愛してるよ、ライト」
きっと自分にしか分からない、ライトニングの嬌声の奥に隠された想いに答えるかのようにそう言葉にするとライトニングは何度も首肯し、言葉にならない分その想いを示すかのようにフリオニールの背中にしっかりと腕を回した。
何度も何度も、激しく貫くたびにあられもなく声を上げるライトニングの声が余計にフリオニールの中にある彼女への愛しさをかきたてる。身体を動かしながらもゆっくりと上体を倒し、再びライトニングに口付ける。
何度も身体を重ねているから分かること―ライトニングの「限界」は近い。そして、自分もまた。
「…ライト…一緒に…」
「っ、ああ…」
その答えを聞いたのとほぼタイミングを同じくしてフリオニールは動きを早める。途端にライトニングの声が次第に高まって行き―一際高い声を上げてライトニングが大きく身を反らしたのと同時にまるで搾り出すかのように強く締め付けられ、フリオニールの中でただ暴れまわるだけだった熱がライトニングの中へと解き放たれていた…