恋を彩る夏の色-2/4-
舌が動くたびに吐息を漏らすフリオニールの様子を上目で窺いながら、舌先はとどめることなく動かすとフリオニールの唇から再び吐息が漏れる。まるでライトニングから与えられる快感に集中しようとしているかのように、フリオニールは目を閉じたままライトニングの頭に手を添えていた。
それに呼応したかのように舌先を全体に這わせながら時折吸い上げ、力を入れない程度に軽く歯を立てる。
刺激するたびに口腔の中でびくりと昂ぶりが震えるのが何故か嬉しくて、ライトニングの手と唇の動きはどんどん大胆になっていく―そんな中、フリオニールが吐息の合間にライトニングの頬に手を添え、ライトニングの方へと真っ直ぐ視線を下ろす。
「ライト、立ち上がって…なんか今物凄くキスしたい」
フリオニールの言葉に、ライトニングはくわえ込んでいた昂ぶりを放すと言われるがままに立ち上がり、フリオニールの背中に腕を回して軽く爪先立った。
ライトニングの頬に手を添えたままのフリオニールは、宣言どおりにゆっくりとした動きで唇を重ねると…手を頬から肩に移し、先ほどライトニングがそうしたように岩壁にライトニングの身体を押し付けた。
一瞬何が起こったのかわからず目を開けるライトニングだったが、口腔にねじ込まれた舌を夢中で吸う。
先ほどまで自分の頭に添えられていた右手が何の躊躇いもなく短いスカートを捲くり上げ、その中の水着をずらして花芯に指を滑らせる。今度はライトニングが口付けの合間に吐息を漏らす番であった。
中指の腹で花芯に触れ、時に押しつぶすように、時に転がすように弄ぶフリオニールは唇を離すと悪戯をする子供のように笑い、頬に添えた手をライトニングの背中に回した。
「…私はお前を落ち着かせる為にだな」
「でも、ライト見てたら俺ばっかりされるがままって言うのもなんだか違うなと思って。どうせならライトにだって気持ちよくなって欲しい…それに」
花芯に触れていた中指は当然のように少し後ろへと滑り、既に蜜を零し始めていた秘所へと何の躊躇いもなくねじ込まれる。
「っ、あ…」
「触る前からもうこんなになっちゃってるし。俺が落ち着いても、今度はライトが我慢できなくなるんじゃないか?」
そう言われてしまうとライトニングは否定できない。先ほどまでのフリオニールの様子を見ていてライトニングの中に宿っていた「熱」をあっさりと見抜かれたのは少し悔しくもあったが…今更、それを殊更恥ずかしがるような間柄でもない。
言葉の代わりに今度は自分から唇を奪い、差し出した舌にはそれが当たり前だとでも言うように舌が絡められる。口付けと共にライトニングの中をかき回すフリオニールの指の動きは激しくなり、それと共に洞窟の中に響く水音もまた激しくなる一方で。
自分自身がそうであるように、幾度も肌を合わせたことでフリオニールの指先は的確にライトニングがどこを触られれば弱いのかをしっかりと把握している…その場所を執拗に、指を折り曲げたり擦り上げたりしながら的確にライトニングの身体を蕩かして行く。
絡められる舌に遮られ声を出すことは出来ない、それでもフリオニールの指先の動きに合わせて響く水音がどれほどに今のライトニングがフリオニールに乱されているのかを確実に伝えていて。
直接触れられる感覚だけでなく、聴覚でもまた感覚が高められていく…五感の全てでフリオニールの愛情を感じる。羞恥心がないではないが、こうして全てをフリオニールに征服されるようにすら感じるこの時間がライトニングは嫌いではなかった。
乱れる呼吸の中、唇が離される。絡み合っていた互いの舌が離れ、銀の糸が互いの舌の間を伝う。目を開けたライトニングは真っ直ぐにフリオニールを見つめ、秘所をかき回していた指を引き抜きながらその頬に手を添えた。