引かない熱と優しさと-5/5-






きっと彼に聞こえているのは、ライトニングがフリオニールを呼びながら上げる声。
フリオニールは時折快感に眉を歪めながらも、思いついたかのようにライトニングの服の裾から手を入れてたくし上げ、露わになった胸の頂に吸い付いて舌先で転がした。
そしてそれと共に身体の奥を擦られる快感、一際敏感な部分に触れるフリオニールの熱がただひたすらにライトニングの呼吸を乱していく。

「ライト…愛してる…」
「っ、ん…フリオニール…私も、っ…!」

もう声を抑えることなど考えられない。もはや意味を成さない喘ぎ声と、その合間に何度も何度もフリオニールの名前を呼ぶ声―応えるようにフリオニールもライトニングの名を呼ぶ。
繋がり合った部分からそのまま蕩けてしまいそうなほどの快感がライトニングを襲う。その最中、身体の中でフリオニールが大きく脈打つのを感じてライトニングはきつくその背中にしがみつく。
その瞬間に下から激しく突き上げられ、その一突きがライトニングの意識を快感の高みへと押し上げた―

なんとなくすぐに身体を離すのが惜しくて繋がり合ったまま寄り添っていたふたりではあったが、フリオニールがライトニングの背中を撫でながらふと呟く。

「そう言えば、昼間に言ってたこと」
「…なんだ?」

けだるさと背中を撫でられる優しい感触に身を委ねながらライトニングは首を傾げる―それに対してフリオニールは小さく笑い、背中を撫でているのとは反対の手でライトニングの髪を緩やかに撫でた。

「戦ってる時の高揚感がどうしても抜けきらなくて、ってあれ…理由、知ってるか?」
「ああ…その高揚感を、欲情していると錯覚しているから起こる…んだろう」
「それを考えてたらさ…ちょっと、悔しくなった」

その前の発言と「悔しい」と言う言葉が繋がらなくて、ライトニングは再び首を捻る。フリオニールは恥ずかしそうに頬を掻きながら、ライトニングをそっと抱き寄せて言葉を続ける。

「つまり、錯覚とは言え俺じゃない何かにライトニングがそう言う気分にされちゃうことがさ」
「考えすぎだろう…それはあくまで錯覚でしかないし…実際にこんな気分になるのはお前しかいない」

フリオニールの肩に身体を預け、ぽつりと呟いたその言葉に…自分を抱きしめるフリオニールの力が強くなる。
その力強さが嬉しくて、ライトニングはそのままそっと目を閉じた。
戦いで生まれるものとはまた違う激しい熱と…フリオニールから惜しげもなく注がれる愛情と甘い安らぎに満たされる―この瞬間と、その安らぎを与えるフリオニールの存在がたまらなく愛しくて。
激しい熱とはまた違う、今の自分を包む優しいぬくもりを確かめ…ライトニングの口元にはただ、幸福感から来る微笑みが浮かぶだけであった。


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