引かない熱と優しさと-3/5-






放心しているライトニングの身体を支えるようにフリオニールの左腕が背中に回り、ライトニングは甘い疲れとフリオニールの腕の力強さに身を委ねた。
身体を走り回っていた熱は全て、優しい痺れになってライトニングの身体を支配している。
眠りに落ちる寸前の、どこか優しくもある疲労感に良く似た感覚を全身で味わっているライトニングの耳元で…聞きなれたフリオニールの、甘く優しい声がした。

「続きは、夜…かな」

顔を上げたライトニングは、そこにあったフリオニールの笑顔に微かに首を傾げた。
いつものことを考えれば、ここでフリオニールに求められ繋がりあうものだとばかり思っていたから…ここでフリオニールが止めると言い出した事が意外でもあって。
ライトニングが不思議そうなことに気づいたのか、フリオニールの笑顔が苦笑いへとすりかわる。そして、ライトニングの頬に口付けると再び耳元に唇が寄せられ、囁く声がライトニングの耳に届く。

「俺だってほんとはもっとしたいけどさ…これ以上長い時間戻らなかったら多分皆に怪しまれるだろ?」
「ああ、そう言うこと…か」

ライトニングはひとつ頷くと、フリオニールの頭に手を添えてぽんぽんと軽く叩いた。
若さ故に欲望もストレートなフリオニールがこうやって、我慢すると決めるのにどれだけの葛藤があったかは想像に難くない。
それに、今は鎧で阻まれているからライトニングには分からないが…鎧の下ではきっといつものように、フリオニールの身体もまたライトニングを求め昂ぶっているのだろうことは容易に想像がつく。
押し殺し我慢しているフリオニールを困らせるのもあまり良くはないだろう、と判断したライトニングはひとつ頷くと、フリオニールの額にそっと口付けた。

「…それまでちゃんと我慢するんだぞ?間違っても自分でどうにかしようなんて考えるんじゃない」
「分かってるよ」

恥ずかしそうに、拗ねたように笑いながらフリオニールはライトニングの頬に触れる…そのとき、遠くから誰かが自分たちを呼ぶ声が聞こえた、気がした。
その声は遠くて誰のものなのかはまだ判断つかなかったが、それでもふたりは顔を見合わせると頷きあい…少し早足で仲間達の待つ野営地へと戻っていった。

そして、その夜―野営地からは少しだけ離れた森の中。
いつものように仲間達が寝静まるのを待ち、いつものようにテントを抜け出したライトニングとフリオニールの姿がそこにはあった。

「ん、ライト…」

昼間に自分だけ満たされてフリオニールに我慢させてしまった、と言う思いがあってか、それとも昼間にされたことに対しての返礼の意味があってか。
フリオニールの前に跪き、奉仕するようにその昂ぶりをくわえ込むことに対してライトニングには何の躊躇いもなかった。
舌を這わせるだけでびくりと脈打ち、刺激するように吸い上げると硬さを増してぐいと反り返る。そしてそれと共に、頭上から聞こえるフリオニールの切なげな吐息…
自分のすることでフリオニールが快感を覚えている、それが分かるだけでライトニングの中に生まれ出る途方もない幸福。今は自分が触れられているわけではないのに、目の前のフリオニールの様子だけで身体の中には再び熱が芽生え始める。
それは昼間の、戦いの中で生まれた熱とは明らかに違う…錯覚ではなくはっきりと、今ライトニングはフリオニールに対して欲情している―
くわえ込んだ唇を一度離すと、臍のあたりまで届くほど力強く反り返った昂ぶりを確かめるかのように指を這わせる。そして先端に口付け、根元に向けてゆるゆると舌を這わせた。

「…ライト…あのさ」
「どうした?」

右手を昂ぶりの根元に添えた姿勢のまま、ライトニングは顔を上げる…自分を見下ろしているフリオニールの表情は紅潮しながらも、どこか悪戯っぽくも見えて―そんなことを考えている間に、フリオニールの手がライトニングの髪に添えられる。

「ライトも一緒に気持ちよくなってくれてるとこ、見たい」
「…もう挿れるのか?」

問い返したライトニングの言葉にフリオニールは首を振ると、相変わらず悪戯っぽい笑みを浮かべたままその髪を再び撫でる。


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