御伽噺に出来ない恋-5/6-






「ライト…好きだ、愛してる…」
「わたし、だって…っ、フリオニール…!!」

喘ぐ声の合間に名前を呼ばれるだけのことがこんなにも幸せだと気づかせてくれるライトニングがたまらなく愛しい。
その愛しさが更なる刺激となってフリオニールの身体を駆け巡る…いっそこのまま溶け合ってひとつになってしまいたいと願ってしまうほどに。
互いの声を塞ぐようにかわされる口付けが、激しさを増す抽送が、身体の奥からあふれ出しそうになってくる。
口付けを交わしながらもうっすらと目を開けてみればライトニングは相変わらずしっかりとフリオニールにしがみついたまま夢中でその唇を吸っていた。彼女自身、自分がそうであるように―ただ今はひたすらに自分を求めているのだとそれだけで感じて…どうしようもなくライトニングが愛しい、ただその気持ちだけに突き動かされるようにフリオニールは何度も何度もライトニングを貫く。
やがて…ライトニングが大きく背を反らし、フリオニールはライトニングを逃がさないようにと動きを止めることなくその身体をきつく抱きしめる。
それとほぼ時を同じくしていっそう締め付けがきつくなる―導かれるように、あるいは搾り取られるかのように。フリオニールの中で暴れまわっていた熱がライトニングの中へと勢い良く解き放たれていった。


「本当に、この馬鹿」

乱れた着衣を直し、ベッドに腰掛けたライトニングはフリオニールと視線を合わせないままで小さくそう呟いた。
フリオニールの側はと言うと流石に今日は怒られても仕方ないな、と思ったのか、しゅんとした表情でその横に並んで腰掛けている。

「気づかれないようにしているのにわざと声を出させようとする奴があるか」
「ごめん、なんか…我慢してるライト見たらつい、その」

ついいじめたくなった、なんて言ったら何をされることやら、とフリオニールはぼんやりと考えていた。
じゃあ私がお前をいじめたくなる気持ちも分かるな、なんて言って散々焦らされおあずけを食らわされ、なんてことが今までに何度あったことか…
自分もライトニングも特別サディスティックだとは思わないのだが、時々こんな風にどうしても自分の下で乱れ狂う恋人の姿を望むことがある…それも、2人とも。
それに応えているのだから、フリオニールもライトニングも極端に嗜虐嗜好だけに偏っているわけではないと自分たちでは思っていたが。

「…まあいい。その件を除いては別に嫌だったわけじゃない」
「うん、分かってる。って言うか、気づいてた」
「…この馬鹿」

再び軽く睨みつけられ、それでも本気で怒っているわけではなくその表情が微かに笑みを含んでいることにはフリオニールはとっくに気づいている。
それが再びライトニングへの愛しさを加速させ…フリオニールは隣に座るライトニングの肩を抱き、自分の方へと引き寄せた。


←Prev  Next→




TEXT_DEEP MENU / TEXT MENU / TOP
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -