激情の仮面-2/6-






そうこうしているうちにスカートは捲り上げられ、その下に着けているものは乱暴に引き下ろされていた。
フリオニールの手は露わになった秘所に直接触れることはなく、太腿のあたりをゆるゆると撫でる…
そのもどかしさに、無意識のうちにライトニングは内腿を擦り合わせていた―フリオニールの手を、もっと上へと導くかのように。
まだ胸の突起に吸いついたまま、フリオニールの視線がライトニングの表情を捉える…微かに笑みを浮かべたかと思うと、内腿を撫でまわっていた手が一気に秘所に触れ、抵抗する間もなく人差し指がねじ込まれた。
触れられていただけで既に濡れそぼっていたそこに指は難なく根元まで飲み込まれ、それを心のどこかで求めていたにも関わらずライトニングの口からは反射的に嬌声が漏れる…

「あ…急に、そんな…っ」
「欲しがったのはライトの方だろ?」

唇を胸元から離すとそう言ってのけるフリオニールの笑顔はどこか嗜虐的ですらあって…彼がそんな表情を浮かべているところを見たことがあっただろうか、そんなことをふと思うライトニングの背筋にぞくりとした何かが走る。とは言えそれは嫌悪感や恐怖の類ではなく―
今までに見たことのないフリオニールのその表情に、何故か心を奪われる―自分の知らないフリオニールがそこにいるのに、それを嫌うことが出来ない―寧ろ、このまま身を委ねることで今まで自分が知らなかった「何か」に目覚めてしまいそうで。
ねじ込まれた指は上下に小刻みに動かされ、その度にくちゅくちゅと水音がライトニングの耳に届く。それが恥ずかしいと思うような余裕すら、今のライトニングにはもう残されていない。

「っ…ふり…お、にーる…っ、もう…やめ…」
「…こっちはやめてほしいなんて思ってないみたいだけど」

ライトニングをからかうようにフリオニールは口の端を上げ、既に人差し指を飲み込んでいた秘所に今度は中指もねじ込まれて来る。
2本の指がライトニングの中で蠢き回る。ぐい、と指を曲げられればその指先が敏感な部分に触れ、先ほどのように小刻みに動かせばその部分をしっかりと擦り上げる。
身体の奥からじわじわと高められていく快感、そしてフリオニールの親指が陰核に触れて、そのまま指を小刻みに振るわせ始め―一気に強烈な快感がライトニングを襲う。

「いや、そんな…された、ら…っ、あ…!」

外側からと内側から、両方から受ける刺激にライトニングの意識がただ快感のみに染まる。
ふわりと身体が浮かぶような錯覚、頭の中で何かが弾けてそれと共にライトニングの意識はどこか高みへと押し上げられていく―!

快感に溺れぼんやりとした意識が元に戻り始めたとき、ライトニングは先ほどまで押し当てられていた壁に凭れたままぺたりとへたり込んでいた。
未だ定まらない思考と視線がフリオニールを探す…ライトニングの目に映ったのは、丁度鎧を外し終えてライトニングをじっと見据えているフリオニールの姿で。
その脚が自分の方へ向けられ、ゆっくりと歩み寄ってくる。その姿を視界に捉えてはいたものの、今のライトニングはそれに対して反応できる状態ではなく。
そして目の前までやってきたフリオニールはライトニングの身体を持ち上げるように抱き起こし、再びその身体を壁に押し付けると耳朶に舌を這わせた。
絶頂を迎えたばかりのライトニングの身体は普段よりも遥かに敏感になっていて、たったそれだけのことにも小さく声が漏れてしまう。

「…こんなことしていいのは―俺だけなんだ」

切なそうな声で囁かれたその言葉の真意を尋ねるよりも前にフリオニールの手はライトニングの背中に回った。
きつく抱きしめられ、フリオニールの身体に曝け出された素肌が押し当てられる。胸の頂が擦れて、たったそれだけのことが強い快楽をライトニングの中に生み出す…
先ほど一度導かれたばかりだと言うのに、そんな些細なことだと言うのに…ライトニングの身体の奥に点った炎は次第に大きく強くなり始める。
先ほどまで思う様にかき回されていた秘所がまた熱くなるのを自分でも感じて、ライトニングは自分を抱きしめるフリオニールの肩に顔をうずめた。
それに気づいているのかいないのか―フリオニールは敢えてそこを避けるかのように背中や腰、尻のラインなどを指でなぞりながらライトニングの様子を窺っている―
触れられるだけでまた少しずつ高められていく官能の熱。それでもフリオニールの手は肝心な場所に触れることはなくて…それがなんだかもどかしくて。


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