愛欲の虜-6/6-






「…数えるのが面倒…か…」

今度はライトニングが大きく息を吐いて額に手を当てる番だった。
殆ど覚えていないとは言え、その疲れが何よりも昨夜の出来事を物語っているわけで、そこへ持ってきてフリオニールから数えるのが面倒なほどの回数を重ねていたと告げられてしまっては頭が痛くなるのも当然かもしれなかった。

「フリオニール、ライトニング。起きているか」

丁度その時、テントの外からウォーリアオブライトの声がする。
身体を起こそうにもやはり力が入らず、横たわったまま…ライトニングには眠りに落ちる前に毛布を被せていたがそれがそのまま彼女の身体を包み込んでいるのを確認してから言葉を返した。・

「起きてるけど…テントから出られる状態じゃなさそうだ」
「ならば、夜まではゆっくり休むといい。流石に体力を使っただろうからな」

テントの向こう側からとは言えいつもの真面目腐った声でそんなことを言われては逆に恥ずかしくなってくる。それが間違っていないからこそ、余計に。
さてどう返したものかとテントの中のふたりが顔を見合わせたところで、ウォーリアオブライトの言葉が更に続く。

「それと、今回は特例だと言うことを肝に銘じて置くように。私としては仲間内でこのような不適切な関係を持つことには賛成しかねるからな」

その言葉と共に足音が聞こえる…どうやらウォーリアオブライトはテントからは離れていったらしい。

「…やっぱ気付いてないんだな、あの人」
「まあ、あいつに他人の色恋に気付けるような機微があるとも思えないがな」

そこで顔を見合わせ、ふたりは小さく笑いを零しあう。
そしてそのまま、フリオニールは腕を伸ばして隣で横たわるライトニングの身体を抱き寄せた。

「まぁ、夜まで寝てていいって言われたし…もう1回寝直すか」
「…そうだな…流石にこの調子では戦えそうにないし」

その言葉と共に、ふたりはゆっくりと目を閉じ…疲れに身を任せるままゆっくりと眠りへと落ちていった。


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