愛欲の虜-5/6-
気が遠くなるほどの快感の中、フリオニールは抱きしめたままのライトニングの身体にもたれかかりながら呼吸を整える…
ライトニングの方も相当に呼吸が乱れ肩が大きく上下している、にも拘らず…フリオニールの背中に回されたままの腕がゆっくりとその身体を引き倒す。
「…ライト…?」
「まだ…足りない…」
熱く潤んだ瞳で見つめられ、そんなことを呟く…この調子では一体ライトニングが落ち着くまでにどれほどの時間と体力を要するか、今のフリオニールには想像もつかない。
だが、それでもライトニングが求めているのならば。
未だ荒い呼吸のまま唇を重ね、一度ライトニングの身体を抱き起こすとライトニングの身体の下に入ったままの脚を後ろに回してライトニングに圧し掛かった。
まだ、完全に回復しているわけではない。だが、完全に萎れているわけでもない。
動かすのには問題がないほどの硬さを保ったままの自身を奮い立たせるように、フリオニールは一度抜けるギリギリまで腰を引くと一気に奥まで深くライトニングを貫いた。
…その後も互いだけを求め合ったまま、ふたりの時間は過ぎていく。
時に激しく、時に甘く…言葉を交わしながらもただひたすら互いの身体を貪りあう。途中から殆ど何も考えられない状態のまま―それでも目の前にいる愛しい人をただ求めるかのように。
時間も理性も体力も何もかもがふたりの妨げにはならなくて―
「…ん…」
フリオニールが目を覚ました時、隣に横たわっていたライトニングは既に目を覚ましていて、その寝顔をじっと見つめていたようだった。
「あ、ライト…」
「目を覚ましたか」
その言葉で、既に彼女がいつもどおりのライトニングに戻っていることを悟る…安心したようにひとつ息を吐くと、ライトニングは申し訳なさそうに眉を下げた。
「すまなかったな、フリオニール。迷惑をかけてしまって」
「別に迷惑なんて思ってないさ…ただ」
そこでまた息を吐いたのは先ほどとは全く違う意味で…仕方がないことなのかもしれないが腰から下に力が入らない。
このままでは立ち上がることもままならなさそうな程、全身を疲れが支配している。
自然と腰の辺りに手をやると、目の前のライトニングも釣られたように苦笑いを浮かべていた。
「…その調子だとお前もか…私もどうも暫くは動けそうもない」
「そりゃあ、あんなに動いたら…なあ?」
「あんなに、と言われても私は途中から殆ど覚えていないんだが」
首をひねるライトニングに、どこまで話していいものかとフリオニールは逡巡する。
忘れているのなら忘れたままの方がいいのかもしれないとも思わなくはないし、それに。
「俺も途中から数えるの面倒になってやめちゃったからな」
フリオニールがはっきりと回数を数えていただけで…確か6回。
その後もまだライトニングの精神状態が落ち着くそぶりはなく、その後からは言葉にしたとおり面倒になって数えるのをやめてしまったし…その頃からはフリオニールのほうも考えるのをやめてただライトニングに求められるままに彼女を抱いていた。
だからこそ、昨夜の状況を説明するにもフリオニールの側にも限界と言うものがあるわけで。